行政・政治

内密出産巡り高市首相「必要な取り組み進める」 泉佐野市の先行事例にも注目

内密出産巡り高市首相「必要な取り組み進める」 石破前首相を踏まえ

 妊娠に葛藤を抱える女性が、周囲に知られることなく医療機関で出産する「内密出産」をめぐり、高市早苗首相は12月16日の参院予算委員会で、「石破前首相の答弁を踏まえ、諸外国の事例の調査研究を進めつつ、予期せぬ妊娠や子育てに悩む方々を支援するため、必要な取り組みを進めている」と述べた。国民民主党の伊藤孝恵議員の質問に答えた。

 内密出産については、石破茂首相(当時)が昨年12月の参院予算委員会で、「赤ちゃんの権利や人権を最大限に尊重する法体系ができないか、政府内で検討したい」と答弁しており、国として制度化を視野に入れた議論が続いている。

 この日の予算委員会には、内密出産に先駆的に取り組んできた慈恵病院(熊本市)の蓮田健院長が参考人として出席した。同病院では、新生児の遺棄や殺害を防ぐことを目的に2019年から内密出産を導入。2021年12月の初事例以降、2025年11月末までに60人の赤ちゃんが内密出産によって誕生している。

 一方で、出産費用を病院が負担していることや、内密出産の明確な定義やルールがない現状についても課題を指摘。万一トラブルが起きた場合、「医師が責任を問われる可能性がある」として、国による法制化の必要性を訴えた。

 内密出産をめぐっては、賛育会病院(東京都墨田区)が今年3月末から導入しているほか、大阪府泉佐野市も今年5月、自治体として内密出産に取り組む考えを明らかにしており、全国的にも先行する動きとして注目されている。

 国の制度化が進む中で、自治体や医療機関がどのように役割を分担し、母親と子どもの命と権利をどう守るのか。泉佐野市を含む地域の取り組みが、今後の国の議論にも影響を与えそうだ。

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