人・文化

【泉佐野市】令和のシールブームで街の印刷屋が再評価される理由

【泉佐野市】令和のシール交換ブームで街の印刷屋に起きた「異変」とは。対面で作る“偏愛シール”の魅力

Y2Kや平成レトロの再燃を背景に、シールやステッカーが再び注目を集めている。デバイスを飾る「ステッカーチューン」や、対面でのシール交換といったアナログな交流が、効率化が進む現代に新鮮な価値として受け止められている。

こうした流れの中、泉佐野市上之郷にある印刷工房「さざんか工房」では、少部数の名刺やオリジナルシールを対面で制作したいという個人・小規模事業者からの相談が増えているという。

2003年設立の同工房は、オンライン完結が主流となった今も、紙の質感や色味を直接確認しながら進める対話型の制作を重視。必要以上の大量発注を勧めず、時にはネット印刷や家庭用プリントを提案するなど、「依頼者にとって最善の方法」を一緒に考える姿勢を貫いている。

工房で作られるシールは、地元の飲食店や農家、釣り船、クリエイター、趣味のコミュニティなど用途も多様だ。商品ラベルとして地域の物語を伝えるもの、イベントや交流会で配られる“名刺代わりの一枚”など、小さなシールが人と人をつなぐ役割を果たしている。

代表の尾崎孝さんは、かつてネット通販に力を入れていたが、価格競争と効率優先の流れに限界を感じ、対面型へと転換した。コロナ禍を経ても工房が支えられ続けた背景には、地域との信頼関係があったという。

印刷業を取り巻く環境は厳しさを増しているが、令和のシールブームは、街の印刷屋に新たな役割をもたらしている。
検索やAIでは完結しない「納得の一枚」を求めて、今日も人はこの工房の扉を叩いている。

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