人・文化

大規模化だけでなく「分散」にも価値 泉佐野の養豚農家が語る、若者就農を支える農業のかたち

大阪府泉佐野市で養豚業を営む関紀産業は、府内でも数少ない養豚農家の一つだ。市内の食品工場から出る規格外のパンや麺類を飼料として活用し、「川上さん家の犬鳴豚」としてブランド化するなど、独自の取り組みを続けている。

一方で現場を直撃しているのが物価高騰だ。飼育設備の資材や家畜用薬品など、あらゆるコストが上昇しており、同社専務の川上寛幸さん(47)は「何をするにも値上がりばかりで、上がっていないものがない」と厳しい状況を語る。

それ以上に危機感を抱いているのが、担い手不足だという。全国の養豚農家は2024年時点で3130戸と、この10年で約2000戸減少。特に小規模農家を中心に廃業が進んでいる。

川上さんは、農業の大規模化や産地集約だけに頼る現状に疑問を投げかける。「分散して小規模農家が各地にあることは、家畜伝染病などのリスクを抑える意味でも重要だ」と指摘する。

安定した食料生産には、多様な規模や形態の農家が地域に根付き、いざという時に支え合える体制が必要だと川上さんは強調する。そのためにも「国民全体が農業に関心を持ち、若い人が『やってみたい』と思える環境づくりを政治が後押ししてほしい」と訴える。

食べ物をつくり、生活が成り立ち、そして「楽しい」と思える農業。その実現が、次の世代の就農意欲を支える鍵になりそうだ。

大規模化、集約より分散にメリットも 若い人の就農意欲の後押しを [大阪府] [衆院選(衆議院選挙)2026]:朝日新聞

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