今回の調査では、草木が生い茂り現地での目視が困難な微細な地形変化を、最新の立体図解技術によって可視化。これまで分かっていなかった墳丘の構造が浮かび上がってきました。
発見の経緯と地形の特徴
- 赤色立体図による可視化: 宮内庁がレーザー測量データを基に、斜面の傾斜度を赤色の濃淡で表現する「赤色立体図」を用いて墳丘を精密分析。
- 3段の階段状地形: 前方部の頂上付近から北側の後円部方向に向けて、3つの斜面と平坦面が一定の間隔で並ぶ「3段の階段状」の地形を確認。そのうち一つの斜面の西端は、南方向へ折れ曲がって続いている様子が捉えられています。
- 規模の詳細は今後の課題: 前方部頂上付近の東西両側が過去に崩落しているため、この土壇状地形の正確な規模は現時点では不明とされています。
歴史的意義:別な埋葬施設の可能性
通常、前方後円墳の主な埋葬施設は「後円部」に造られますが、一部の古墳では「前方部」に土壇を設け、別の埋葬施設を配置する事例が存在します。大山古墳でもこの未知の土壇の存在が確定すれば、大王墓の埋葬構造の実態を覆す大発見につながる可能性があります。
おもしゃいな視点:最新ITと古代ロマンの融合、百舌鳥・古市古墳群のさらなる深みへ
現地に何度も足を運んだことがある方ならご存知の通り、大山古墳は鬱蒼とした深い森に包まれており、外周の拝所からではその全貌や細かな高低差を伺い知ることは不可能です。その「見えない謎」が、令和の現代IT技術(レーザー測量と赤色立体図)によって1500年以上の時を超えて剥ぎ取られたという事実に、まずは強い興奮を覚えます。
堺市を中心とする百舌鳥・古市古墳群は世界遺産登録後も数々の調査が続けられていますが、今回の発見は「すでに調べ尽くされたと思われていた巨大古墳に、まだ眠る未知の領域がある」というロマンを私たちに突きつけてくれました。今後のさらなる多角的な分析や、考古学会での議論の行方が非常に楽しみな大ニュースです。








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