泉佐野市で創業100年以上の歴史を持つ「北庄司酒造店」が、日本酒造りの原点を見直すことで地酒の再評価に挑んでいる。4代目蔵主の北庄司知之さん(44)は、火入れ工程の改善を軸に酒質向上を進め、地元発の日本酒を府内外へ広げてきた。
次男として生まれ、当初は家業を継ぐつもりはなかった北庄司さん。バイク整備士や物流業に携わっていたが、酒蔵存続の危機をきっかけに2011年に帰郷した。当時の酒蔵は人手不足と赤字経営が続き、厳しい状況にあったという。
知識ゼロからの再出発となったが、試行錯誤の末、瓶詰め時の加熱殺菌「火入れ」に着目。新設備を導入し、雑味を抑えたすっきりとした酒質を実現した。こうして誕生した業務用向けの「北シリーズ」は、徐々に大阪市内の飲食店や酒販店にも広がっている。
また、酒蔵を開放する「酒蔵祭」や、地酒とクラフトビールを楽しむイベント「酒万博」の企画にも携わり、大阪の酒文化を伝える活動を続けてきた。
「泉佐野唯一の酒蔵を守りたい」。その思いを胸に、北庄司さんはこれからも日本酒造りの可能性を追求していく。







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