全国の不登校児童・生徒数が約35万人(2024年度文部科学省調査)にのぼるなか、大阪府泉佐野市が運営する市教育支援センターにおいて、大阪体育大学の学生11人がボランティアスタッフ「メンタルフレンド」として活動し、子どもたちの学習支援や心理的サポートを行っています。
同大学体育科教育学(小林博隆准教授)のゼミに所属する李泰然さん、中村東暖さん、小作優貴さん、冨士本美咲さんら4人の学生が、実際の活動内容や現場で得た知見について語りました。
泉佐野市教育支援センターの概要
泉佐野市教育支援センターは、不登校の状態にある小中学生に家庭と学校の中間的な居場所(やすらぎの場)を提供する施設で、市内で2施設(「さわやかルーム」「シャイン」)を運営しています。
- 規模と環境: 現在14人の児童・生徒が通所。元教員がセンター長を務め、小中学校に準じた環境が整えられています。
- 制度上の扱い: 同センターへの通所は、在籍する小中学校の「出席」として扱われるため、日々の学習活動も重視されています。
- 支援体制: 社会人や大学生を中心とする「メンタルフレンド」が約25人登録されており、過去5年間で活動した大学生のうち6割以上を大阪体育大学生が占めています。
メンタルフレンドの具体的な活動内容
学生たちは、センターの方針である「子どもを一人にしないこと」を念頭に、個々の状況に合わせた臨機応変なサポートを行っています。
- 学習サポート(午前): 学校の別室登校などで配布された宿題や、塾の教材を個々の進度に合わせて一緒に取り組みます。
- 運動・レクリエーション(午後): グラウンドや体育館での身体運動のほか、卓球やカードゲームなどを通じて信頼関係を構築します。
- 年間行事の企画・運営: 社会見学、デイキャンプ、マラソン大会、ハイキングなどのイベントや、施設の卒業式を学生たちが企画・運営します。
- 防災学習の実施: 大学での学びや東日本大震災の避難生活、能登半島でのボランティア体験談を子どもたちに伝える活動も行っています。
活動を通じて得られた学生たちの見解
当事者との交流を重ねる中で、学生らは「学校に行くことが唯一の正解ではなく、一人ひとりの個性や良さを発揮できるかどうかが重要」であると指摘しています。
- 不登校の要因と予防: 一度のきっかけではなく複数の要因が蓄積して不登校に至るケースが多く、教育現場においてはクラス単位ではなく生徒個人を早期に段階から注視していくことが重要であるとしています。
- 大人の役割と環境整備: 学校復帰を望む子には別室等の居場所を、望まない子には規則正しい生活や行事経験を代替できる環境を大人が整えることが必要であり、担任教諭がセンターへ訪問することも子どもへの重要なメッセージになっていると分析しています。
- 将来への還元: 教員志望者にとって個人と向き合う大切な実体験となるだけでなく、一般企業への就職や将来の親としての視点においても、多様な環境の子どもと向き合った経験は大きな財産になると総括しました。
指導教員および施設関係者のコメント
- さわやかルーム センター長: 「メンタルフレンドは子どもたちにとって自分を認めてくれる大切な存在。活動を通じてラリーが100回続いた卓球など、小さな成功体験が子どもたちの自信に繋がっています。今後も多くの学生に参加してほしい」
- 大阪体育大学 小林博隆准教授(体育科教育学): 「普段から『空き時間をどのように過ごすかが未来への先行投資になる』と伝えており、今回のボランティアも学生たちが自主的に取り組んだものです。今後も横や縦のつながりを大切に、地域貢献を続けてほしい」
不登校35万人時代 大阪体育大学生が泉佐野市の不登校ボランティアで活動 「一概に『学校に行くことが正しい、不登校は間違い』ではなく、一人ひとりの個性や良さを発揮できるかどうかが大事」 – 大阪体育大学








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