大阪府泉佐野市は、親が育てられない新生児を匿名で預け入れる、いわゆる「赤ちゃんポスト」を2026年度にも開設する計画を進めている。実現すれば、全国で初めての「行政主導」による運用となる。
計画を推進する千代松大耕市長は2月9日、先行事例を持つ熊本市を訪問し、大西一史市長と面会した。熊本市は、慈恵病院が民間として国内で初めて赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)を設置した自治体で、長年の運用実績がある。
千代松市長は面会後、「赤ちゃんポストに至る前段階での妊娠相談が非常に重要だと助言を受けた」と述べた。泉佐野市では、開設準備の一環として2025年12月から妊娠相談窓口を設置しており、これまでに約60件の相談が寄せられているという。
一方で、熊本市と泉佐野市の制度的な違いも課題として挙げられた。熊本市は政令指定都市で児童相談所や乳児院を市が設置しているのに対し、泉佐野市ではそれらの権限が大阪府にある。このため、今後は大阪府との調整が重要になるとしている。
千代松市長は、行政主導で導入を目指す理由について、「全国的に赤ちゃんの遺棄事件が後を絶たない中、生まれてきた命を守る責任を行政として果たしたい」と説明。泉佐野市では2年前に「子ども基本条例」を施行し、子どもの権利を尊重するまちづくりを進めており、その流れの中で今回の計画を位置付けている。
運営財源については、好調なふるさと納税を活用する方針だ。千代松市長は「すでに『赤ちゃんポストに使ってほしい』という指定寄附も寄せられている」と述べ、市民や全国からの支援に期待を示した。
設置場所は、市立りんくう総合医療センターを想定しており、新年度予算には改修費として約1億5000万円を計上している。2月10日には熊本市の慈恵病院を視察し、必要な設備や運用体制について確認する予定だ。
また、泉佐野市の赤ちゃんポストの名称は『赤ちゃんいのちのバトン』とすることが明らかになった。これは、漫画『コウノドリ』のモデルとなった医師が命名したもので、市長が番組内で初めて公表した。
泉佐野市は、赤ちゃんポストに加え「内密出産」も受け入れる方針としており、開設されれば熊本市、東京都内の医療機関に続く全国3例目、自治体主導としては初の取り組みとなる。
全国初 行政発の「赤ちゃんポスト」運用へ大阪・泉佐野市長が熊本市長と面会(2026年2月9日掲載)|KKT NEWS NNN








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