2026年に第一ターミナル(T1)の全面改修完了を予定している関西国際空港。豪華さと施設の豊富さが際立つ一方、快適さがいつしか利用者のストレス源になりつつある。
ピーク時間には保安検査、免税店、飲食店に長蛇の列だ。早めに空港に到着しても、気がつけば行列に追われ、出発時刻が迫って焦る。しかも2025年から始まったT1の大規模リニューアル後も混雑の構図は変わらず、「むしろリニューアル前より混んでない?」という不満さえ飛び出すほどだ。
こうした「T1疲れ」の中、静かに支持を集めているのが、LCC専用の第二ターミナル(T2)だ。2025年8月からは国内線エリアの全面改修がスタートし、自動手荷物預け機やスマートレーンの導入、待合エリアの約20%拡張など、利便性強化が進む予定だ。利用者が語る。
「T1では出発3時間前に来てもずっと並んでいたのに、T2だと2時間前で十分、余裕がありました」
T2の魅力は、見た目ではなく効率。動線が短く、施設が必要最小限に整理されているため、保安検査から搭乗までの流れが速い。豪華さよりもストレスの少ない移動を求める利用者にはぴったりだ。
このT2人気を後押ししているのが、バンコク路線の変化。エアアジアX(Thai AirAsia X)は2024年10月から、バンコク発着をスワンナプーム空港からドンムアン空港へと完全移転した。混雑しにくく、時短派からは評価される反面、バンコク中心部にアクセスしづらいという声が根強いのだが…。
対してPeachは、2022年12月から関空~バンコク(スワンナプーム)線を就航。LCCでありながらスワンナプーム着という利便性の高さが支持され、「T2発Peach便でスワンナ着」という旅程が需要を伸ばしている。
もちろんT2にも弱点はある。駅から遠く連絡バス移動が必須、建物が質素などの課題が残る。しかし「行列疲れ」「混雑のストレス」を嫌う旅客にとって「T2+LCC」の組み合わせは、現実的な逃げ道になっているのだ。


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