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【堺市】泉北ニューデザイン推進協議会、IZUMIGAOKA Next Design作成(日刊建産速報社)

泉北ニューデザイン推進協議会(堺市、大阪府、UR都市機構、大阪府住宅供給公社、南海電気鉄道、大阪府都市整備推進センター)は、15年に改訂した「泉ヶ丘駅前地域活性化ビジョン」の改定案として、「IZUMIGAOKA Next Design(案)」をとりまとめた。

 泉北ニュータウンの中核的なタウンセンターである泉ヶ丘駅前の活性化に取り組むため、地域住民、事業者をはじめ、この地域に関わりのある人々が共に行動するための指針として、泉北ニューデザイン推進協議会において、11年に「泉ヶ丘駅前地域活性化ビジョン」を策定。その後、本ビジョンに基づく活性化の取り組みを進めてきたが、泉ヶ丘駅前施設の再編や近畿大学医学部等の立地など、今後本地域が大きく変わろうとしていることから、この機会を最大限に活かし、さらなる活性化の推進を図るため、15年に同ビジョンを改訂した。現在、改訂した同ビジョンの取組期間が満了を迎えるため、次期ビジョンの策定に向けた作業を進めており、改定案として、「IZUMIGAOKA Next Design(案)」をとりまとめた。取組期間は25~3434年までの概ね10年間。対象区域は地区センターの中心からの徒歩圏内(約800m)。

 めざす将来像は「未来の世代まで豊かに暮らしやすい泉ヶ丘」。泉ケ丘駅前地域の重点施策は①ダイナミックな土地利用転換の推進②若年層・子育て世代の誘引③泉北ニュータウンとしてのブランド構築。

 機能導入・取組展開のイメージは、将来像の実現に向けて、新たな機能導入・価値創造の拠点となる「コア」を有機的に繋ぐ。泉ケ丘駅を中心に周辺の商業施設、公園、住宅地などを結ぶことで、地域住民だけでなく、来訪者も快適に回遊できる魅力的な駅前空間をめざす。各コアの取組を充実し連携することで、駅前地域を活性化させ賑わいを創出する。

 【シンボルコア】▽泉ケ丘駅北エリア=①既存の歩行者動線に加え、シンボルコアと居住創造ノースコアを繋ぐ動線を確保し、人が往来し、回遊できる環境を整える②駅前地域には賑わいと交流を促進する広場空間を創出する③地域住民の生活を支える商業機能の維持・向上を図る④風格ある駅前地域に向け、建築する建築物は周辺と調和した意匠・デザインとする⑤駅直結の立地を生かした利便性の高い都市型住宅を供給する⑥駅前交通広場では一般車による駅への送迎がしやすく、鉄道から路線バスへの乗り継ぎが便利で安全な交通動線を確保する⑦駅前や駅ナカへの保育施設の誘導や送迎保育サービスなど子育てしやすい環境やサービスを提供する▽泉ケ丘駅南エリア=①駅改札の1階レベルからデッキの2階レベルへの円滑に上下移動できる動線を確保し、各方面の緑道等の歩行者動線と接続することで駅へのアクセス性を向上させる②駅前エリアの再整備において、交流できる広場機能や回遊性を高める歩行者動線を整備する③風格ある駅前地域に向け、建築する建築物は周辺と調和した意匠・デザインとする④地域住民の生活を支える商業機能の維持・向上を図る⑤駅直結の立地を生かした利便性の高い都市型住宅を供給する⑥駅前地域の広場等のパブリックスペースを有効活用し、管理・活用のために必要な規制緩和等を検討の上、カフェなどの賑わいの場を創出する⑦駅前施設の更新時にステークホルダーと連携を図り、公共空間の再整備を推進する⑧公民が連携し、公共空間の新たな活用や市民サービスの検討を行い、エリアマネジメントの推進によりエリア価値を向上させる⑨多様な教育機関が集積する立地特性を生かし、駅前空間へのサテライトキャンパスの誘致や学生が集える空間の創出を促進する⑩駅前施設において、リモートワークスペースやリモート会議用スペース、シェアオフィス、コワーキングスペースの導入・整備を促進⑪駅前地域への都市機能の誘導に向け、必要に応じて容積率等の規制緩和を検討。

 【居住創造ノースコア】①新たな層の誘引のため、公的賃貸住宅の再編に伴う活用地では、居住機能に加え駅近の立地を活かした地域の魅力向上に資する商業や交流機能の誘導を図る②駅前の立地を最大限活用し、若年層・子育て世代が泉北ニュータウン内に住み続け、また、移り住みたくなるような魅力的な賃貸住宅の供給を促進する③丑池や周囲の緑道、公園などの緑の魅力や豊かさを実感できるゆとりある住宅地を形成する④公的賃貸住宅の地域医療福祉拠点化を推進し、より豊かに暮らせる取組を推進する。

 【居住創造サウスコア】①公的賃貸住宅の住戸リノベーションの実施など、若年層・子育て世代が泉北ニュータウン内に留まり、また、移り住みたくなるような魅力的な賃貸住宅の供給を促進②公的賃貸住宅の空き住棟や住戸、集会所などを用途転用(コンバージョン)し、子育て世代や高齢者など多様な世代が集い繋がるコミュニティ拠点や働く場を創出し、新たな価値や魅力を高める③駅近の立地を生かした新たなサービスや機能導入を促進する。また、実現に必要な規制緩和等を検討。

 【こどもコア】①ビッグバンと泉ヶ丘公園の一体的活用による魅力あふれる空間を創出②泉ヶ丘公園や交流広場などのオープンスペースを活用し、駅前周辺施設と連携したイベントやアクティビティを充実させ、歩行者動線の整備により回遊性を高め、多様な世代が集い交流する場を創出③公園などの公共空間を活用し、子育て世代が集い繋がることができる場を創出。

 【パークライフコア】①公民が連携し、公園などの公共空間の新たな活用や市民サービスを検討し「市民から市民へのサービス提供」の取組を促進するために、公共空間の管理や活用に必要な規制緩和等を検討②公園などの公共空間を活用し、子育て世代が集い繋がることができる場を創出する。

 【教育・健康コア】①近畿大学医学部・大学病院(おおさかメディカルキャンパス)と公園が一体となった憩いの空間を創出②周辺地域の公園や緑道に設置された健康遊具を活用し、住民の健康増進を図る。

 【教育・交流コア】①駅前と住宅地を繋ぐ立地を生かし、教育、交流、防災機能等を整備する。

 【ネクストコア】①近畿大学医学部・大学病院との連携を見据えた次世代ヘルスケア産業などの企業立地を促進し、新事業の社会実装を通じて雇用機会の拡大と働く場の創出を図る②公共空間などのダイナミックな活用の促進に向け、新しいサービスなどの事業者からの提案を実現するための施策等を検討③次世代ヘルスケアビジネスを担う企業が事業所等の開設を行う場合、賃料の一部を補助するなど企業立地に関する優遇制度の整備を検討④職住一体・近接型ライフスタイルを促進する働く人向けの住宅を供給する。

日刊建産速報社

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