79年前、1800人以上が犠牲になった大阪の「堺大空襲」を若い世代に語り継いでもらおうと地元の大学生たちが空襲を経験した人から話を聞く学習会が開かれました。
堺市と地元の羽衣国際大学では、1860人が犠牲となった昭和20年7月10日の「堺大空襲」を語り継いでいこうと今月から大学生を語り部として育成する講義を始めています。
29日は、15人の大学生が市内の「平和と人権資料館」を訪れ、担当の職員は1時間半の爆撃で旧市街地の6割が焦土と化したことを説明したうえで投下された焼夷弾の一部を示して「無数の鉄の塊が落下してくる恐ろしさを想像して欲しい。火災の前に部品が当たって亡くなる人も多かった」などと話していました。
続いて、堺大空襲を経験した久保照男さん(87)が、「当時私は8歳で、蔵1つを残してあたり一面が焼き尽くされていた光景はショックという言葉をはるかに通り越していた。あの愚かな時代、食べ物のない貧しい時代が二度と来ないよう、君たちが歯止めになって欲しい」と呼びかけました。
学生たちは今後、語り部として活動している人からも話を聞き、まとめた内容をことし12月に小学校で発表することにしています。
学生の1人は、「久保さんの『戦争はくだらない』という言葉が特に印象に残りました。私が語り部になれるかいまは自信がありませんが頑張っていきたい」と話していました。
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