2025年(第53回)毎日農業記録賞の作文募集が始まった。日本の食料供給の根幹を揺るがし、収束がいまだ見通せない「令和のコメ騒動」。そんな中、消費地と生産地の自治体同士の連携が、一つの成果を導いた。近畿の現場を訪ねた。【三枝泰一】
大阪府泉大津市。堺泉北臨海工業地帯の一角に位置し、国内の毛布生産の9割を占める「毛布のまち」として知られるが、市全域に占める農地の割合は2・4%しかない。今、同市の政策が、全国の農業生産者や自治体の注目を集めている。
現在3期目の南出賢一市長は2023年3月、「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」を打ち出した。市が独自に全国の農業生産地の市町村と農業連携協定を結び、平時から健康増進につながる有機栽培米などをダイレクトに購入して学校給食などに提供する。さらに、食料不足など「不測の事態」になったら、連携した自治体の農産物を「市民のための食料」として確保する仕組みだ。これまでに同市と締結した自治体は北海道から…
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