堺市に住みながら、社会問題に切り込む多くの作品を生んだ作家・山崎豊子さん(1924~2013)の愛用品などを展示する企画展「堺に生きた山崎豊子のまなざし」が19日から堺市のさかい利晶の杜(もり)で始まる。18日に内覧会があり、報道関係者らに書斎の一部を再現した展示室などが公開された。
山崎さんは旧制京都女子専門学校を卒業後、毎日新聞社に入社。記者として働きながら小説を書き始め、退職後に医学界の暗部に切り込む「白い巨塔」、中国残留日本人孤児を描く「大地の子」などの作品を生んだ。1960年代から亡くなるまで、堺市で暮らした。
企画展では書斎の一部が再現され、机の正面に置かれていた空想の生き物「グリフォン」が描かれたつぼや、英国製の華やかな柄のティーカップ、スペインのリヤドロ社製の人形など約100点が展示される。
山崎さんのおいの山崎定樹さん(65)は、「着物やドレスなど初めて展示するものもあり、ぜひ多くの人たちに楽しんでほしい」と話した。
企画展は同市主催。5月29日までの午前9時~午後6時(最終入館は午後5時半)。一般300円、高校生200円、中学生以下と65歳以上の市内在住者は無料。5月20日は休館。問い合わせは、さかい利晶の杜(072・260・4386)へ。
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