東アジアにおいて日本のみが未発生となっている家畜伝染病「アフリカ豚熱(ASF)」の国内侵入リスクが高まっています。特に、近隣諸国との往来が盛んな関西国際空港では、水際での警戒が一段と強まっています。
1. 東アジアで未発生は日本のみ。迫る脅威
アフリカ豚熱は豚やイノシシに感染する病気で、致死率はほぼ100%です。有効なワクチンや治療法はなく、発生した養豚場では全頭殺処分が義務付けられています。
- 近隣の状況: 2018年の中国を皮切りに、韓国、そして昨年10月には台湾でも初めて発生が確認されました。
- 経済的打撃: 先に発生した中国では飼育頭数が約4割減少し、豚肉価格が2.5倍に高騰するなど、食卓に深刻な影響を及ぼしています。
2. 関西空港が「防波堤」に。1日100件超の摘発
ウイルスは、入国者の靴や荷物、あるいは違法に持ち込まれた肉製品を介して侵入する恐れがあります。
- 検疫の現状: 関西空港では「動植物検疫探知犬」による検査が強化されています。
- 摘発件数: 昨年の全国の違法持ち込み摘発件数は過去最多の約22万件(速報値)を記録。関西空港だけでも、1日あたり100件を超える違法な畜産物が摘発されています。
- 現場の声: 現場の家畜防疫官は「絶対に侵入させない」と、水際阻止に向けた強い責任感を持って任務にあたっています。
3. すでに食卓へ影響。輸入停止による価格高騰
日本はASF発生国からの豚肉輸入を停止しており、その影響がすでに外食チェーンに及んでいます。
- 輸入停止の連鎖: イタリアに続き、2025年11月にはスペインでも感染が確認されたため輸入を停止。
- 外食の対応: 「しゃぶ葉」などの大手飲食店では、スペイン産豚肉の取り扱いを休止し、他国(米国産など)への切り替えを余儀なくされています。
4. 国内発生時の「最悪のシナリオ」
農林水産省は、もし国内にウイルスが侵入・拡散した場合、最悪のシナリオとして「年間の飼養豚が4割減少する」可能性を指摘しています。これは、私たちが日常的に消費する豚肉の供給が激減し、大幅な値上がりを招くことを意味します。
今後の動向
政府は、違法に持ち込まれた肉製品の販売禁止や立ち入り検査を盛り込んだ「家畜伝染病予防法」の改正案を提出し、法整備による抑止力強化を急いでいます。泉州地域の住民にとっても、空港を介した感染症対策は、食の安全と経済を守る極めて重要な課題となっています。
【市民への呼びかけ】 海外から肉製品(ハム、ソーセージ、肉まん等)を持ち込むことは法律で厳しく制限されています。また、キャンプや登山などで山林に入る際は、靴の洗浄・消毒を徹底するなど、ウイルスの媒介を防ぐ意識が求められています。
東アジアで未発生は日本のみ、「アフリカ豚熱」水際警戒を強化…最悪のシナリオは「国内の飼養豚4割減」 | ヨミドクター(読売新聞)








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