関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港を運営する関西エアポートが1日発表した2025年9月中間連結決算は、売上高にあたる営業収益が前年同期比18%増の1397億円で、中間期として過去最高だった。大阪・関西万博の開催を追い風に国際線の利用が好調だった。一方、足元では、日中関係の悪化の影響で中国便の減便が相次いでおり、先行きには不透明感も漂う。
本業のもうけを示す営業利益も29%増の394億円と過去最高だった。最終利益は34%増の226億円で、2番目に高い水準だった。多くの利用者で混雑する関西空港(1日)
3空港を合わせた旅客数は11%増の2753万人で、過去最高だった。関空の国際線が 牽引 し、16%増の1386万人と、こちらも最多となった。万博の効果で、欧州の旅客数は前年同期に比べて5割増え、北米も3割増となった。方面別では中国が最も多く、約3割を占めた。韓国と東南アジアが続いた。今年4月に運航が始まった神戸空港の国際線チャーター便の旅客数は26万人だった。
記者会見した山谷佳之社長は「万博に向けて、関空第1ターミナルの改修などを行い、増えゆく需要に対して最大限、供給力を整えた結果、良好な決算になった」と総括した。関西エアポートの中間決算の推移
今後は中国便の動向が焦点となる。10月に発表した関空の今冬の国際線旅客便ダイヤでは、ピーク時(12月第2週)に525便を見込んでいたが、すでに減便の動きが相次いでおり、現時点でも約34%少ない348便にとどまる見通しだ。
約3割を占める中国からの旅客が減ると、空港内の免税店の売り上げも落ち込む恐れがある。影響が長期化すれば業績の下押しリスクは高まる。
山谷社長は「中国便は元々、万博で便数が増えた後の調整局面にあり、現状については悲観も楽観もしていない」と述べ、便数が少ない欧米の路線や、高い経済成長が続くインド方面の便数の拡大を目指す考えを示した。


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