仏教の世界では、人里離れた山林は俗塵(ぞくじん)から離れた清らかな地として、仏道修行の場となりました。本企画展では仏教美術の優品を中心に、山林修行に励んだとされる羅漢、役行者(えんのぎょうじゃ)、行基に焦点を当て展示します。なお、令和2年度に個人から寄贈を受け、令和5年度に修理を実施した行基菩薩像(一幅、室町時代)をはじめ、5点を初出品します。
会期
令和6年11月23日(土曜・祝日)~12月22日(日曜)
開館時間 午前9時30分~午後5時15分(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日
観覧料
一般 200円(160円)/高校・大学生 100円(70円)/小・中学生 50円(30円)
※( )内は、20人以上の団体料金
※堺市在住・在学の小中学生は無料
※堺市在住の65歳以上の方、障害のある方は無料(要証明書)
※11月23日・24日は、「関西文化の日」として無料でご観覧いただけます。
展示構成・主な展示資料
第1章 役行者と修行の山
飛鳥時代の伝説的な人物である役行者は、葛城修験や大峯修験を始めたとされます。堺市内のゆかりの仏像・仏画や、葛城修験の霊場・岩湧寺(河内長野市)の仏像を展示します。
・【市指定】法起菩薩曼荼羅図 1幅 室町時代 南区・髙倉寺
・ 木造前鬼像・後鬼像 各1躯 江戸時代 東区・野尻町内会
・ 木造蔵王権現立像 1躯 平安時代 中区・海岸寺
・【国重文】木造大日如来坐像 1躯 平安時代 河内長野市・岩湧寺
・【市指定】木造愛染明王坐像 1躯 平安時代 河内長野市・岩湧寺
第2章 山林修行者としての行基
池や橋の築造など、社会事業として知られる奈良時代の僧・行基について、南北朝~江戸時代に描かれた行基の肖像画5点を展示し、山林修行者としての行基のイメージを探ります。
・行基菩薩十三歳像 1幅 江戸時代 中区・華林寺
・行基菩薩像 1幅 江戸時代 西区・塩穴寺
・行基菩薩像(行基講資料) 1幅 室町時代 堺市博物館
行基菩薩十三歳像 中区・華林寺
奈良時代の僧・行基13歳のお姿。木立のなかでの修行の様子でしょうか。華林寺は行基が15歳で出家する以前である13歳のときに、行基の母の在所を寺にしたと伝えられます。
第3章 仏弟子・羅漢
釈迦の涅槃後(没後)に仏教を護ることを託された羅漢は、山林などで修行する姿で描かれます。法道寺(南区)と吉祥園寺(貝塚市)の十六羅漢画像全35幅に取り囲まれる空間は圧巻です。
・【国重文】十六羅漢像 16幅 南北朝時代 南区・法道寺
・【市指定】釈迦三尊十六羅漢像 19幅 室町時代 貝塚市・吉祥園寺
関連行事
学芸講座
日時:12月14日(土曜)午後2時~午後3時30分
定員:80人
講師:当館学芸員
会場:博物館ホール
参加費:無料(ただし展示場内への入場は要観覧料)
展示解説
日時:12月8日(日曜)、12月21日(土曜)、各日午後2時~約45分
定員:各回20人
講師:当館学芸員
会場:展示場企画展コーナー
参加費:無料 (ただし展示場内への入場は要観覧料)