砂浜に大量漂着し処理に苦慮してきたアオサを、メタン発酵で有用化学品へ転換する共同研究が進む。給食の食べ残しも活用し、環境負荷低減と地域経済活性を狙う。
泉南市は、大学や企業と連携し、海藻からメタンガスを生成し化学原料へ転換する共同研究を進めている。対象は、砂浜に大量漂着して悪臭や景観悪化の原因となっていたアオサだ。
背景:観光再開と悪臭問題
タルイサザンビーチでは、泉南ロングパーク再開に合わせ海水浴場を再開したが、準備段階から大量のアオサが漂着。腐敗による悪臭が発生し、観光への影響が懸念されていた。
市は回収後、乾燥・焼却処理を行ってきたが、塩分や砂分を多く含むため焼却炉の劣化を招くなど課題が顕在化。持続可能な処理方法の確立が急務となっていた。
産学官連携で資源化へ
発想を「廃棄物」から「資源」へ転換。2025年7月、市は神戸大学、同大学発スタートアップの光オンデマンドケミカル、メタンガスプラントを手がけるヴァイオスと共同研究を開始した。
回収したアオサをヴァイオスのプラントで発酵させメタンガスを回収。そのガスを活用し、光オンデマンドケミカルの技術でポリウレタン原料となるイソシアネートなどの有用化学品の合成に成功したという。
一方で、メタン回収量は目標値に届かず、発酵効率の改善が今後の課題として示された。
第2期へ:給食残渣も活用
第2期として、2026年1月から市内のし尿処理施設にプラントを設置。漂着アオサに加え、給食の食べ残しや野菜くずなども投入し、有用化学品の生成と量産化、事業採算性の検証を進めている。
市は、焼却していた廃棄物を資源化することで環境負荷を低減し、地域経済の活性化につなげたいとしている。観光課題の解決と循環型社会の構築を同時に目指す取り組みとして、その成果が注目される。
厄介な「廃棄物」アオサを製品原料の「資源」に…泉南市、大学・企業と連携「環境負荷を低減し地域経済の活性化にもつなげたい : 読売新聞








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