堺市、堺ミュージアム整備基本構想案作成向け機能等を検討
堺市は、大仙公園周辺の旧大阪女子大学跡地に、博物館機能とガイダンス機能を備えた「(仮称)堺ミュージアム」の整備を計画している。市は、2024年度に取りまとめた基本構想素案をもとに、基本構想検討懇話会で求められる機能などの検討を進めており、あわせて民間活力導入に向けたサウンディング調査を実施する。
今後は、2026年4~5月にパブリックコメントを行い、同年6月に基本構想を策定する予定だ。
老朽化と環境変化に対応、新たな中核ミュージアムへ
現行の堺市博物館は1980年の開館から40年以上が経過し、設備の老朽化が進んでいる。加えて、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録や美術作品の新規収蔵など、市の歴史・文化を取り巻く環境は大きく変化している。収蔵環境の制約や、デジタル技術の導入が難しい点も課題となっている。
こうした背景を踏まえ、市は2020年度から新たなミュージアム整備の検討を開始。2024年1月には、「歴史・文化の継承・発信・連携の拠点となる堺ミュージアム」を基本コンセプトに掲げた。
「ここに来れば堺が分かる」知の拠点を目指す
基本理念として市は、
・「ここに来れば堺が分かる」知の集積拠点
・安全・安心な施設
・歴史・文化を通じて人をつなぐ場
・堺の歴史文化資源のブランド発信
・社会課題と向き合う場
――の5点を掲げている。
具体的な取り組みとして、歴史・文化資料やアルフォンス・ミュシャ・コレクションの調査研究、資料のデジタル化と情報発信、バリアフリー対応、学校教育と連携した体験プログラム、市内文化施設との連携強化などを進める方針だ。また、ミュージアムを起点に市内周遊や観光を促す仕掛けづくりも検討されている。
展示・研究から観光まで多機能施設を想定
構想では、以下のような機能整備が想定されている。
・資料収集・保存機能(災害時の被災資料対応を含む)
・調査研究機能
・企画・特別展示室、ミュシャ・コレクション常設展示
・教育普及・生涯学習機能
・市民参画・交流スペース
・ミュージアムショップやカフェなどの観光・集客機能
・ボランティア活動支援エリア
・アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)関連施設
市は、堺市内の歴史文化関連施設の中核館としての役割を担い、国内外への情報発信と地域活性化につなげたいとしている。










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