堺市で活動する男子ハンドボールチーム「堺リエゾン大阪」が11月から国内最高峰のリーグに参入する。9月にはお披露目試合が行われ、多くの市民が応援に駆けつけた。選手らは「堺といえばリエゾンと言われるような、地域に愛されるチームになっていきたい」と意気込んでいる。(前川和弘)
堺リエゾン大阪は2021年、有志によって運営会社と前身となるチームが発足した。23年にチーム名を堺リエゾン大阪に変更し、国内トップリーグ「リーグH」への参入を目指して活動を続けてきた。参入のためには、選手が16人以上いることや、一定以上の資金、スポンサーの確保などの条件があった。
こうした条件をクリアするために奔走したのが、運営会社代表の宮崎寛さん(78)だ。宮崎さんは府立三国丘高校(堺市堺区)のハンドボール部出身で、高校時代の仲間とともに「地元にハンドボールチームを作りたい」との一心で活動してきた。
チームは一時、選手が3、4人しかいない時期もあったが、そこから21人まで増やし、運営や加入条件の達成のため、府内の企業を中心にスポンサーを集めて回ったという。また、選手らの生活のため勤務先も用意するなど、各方面に協力を求め、24年12月にリーグHへの参入が決まった。悲願の参入に、宮崎さんは「ほっとし、うれしくて胸が躍った」と話す。堺リエゾン大阪の参入により、リーグHの男子は15チームとなった。
堺リエゾン大阪には選手21人が所属し、午後5時頃までそれぞれの勤務先で働いてから、夜に練習を重ねている。20歳代の若い選手が多いこともあり、経験不足を補うために経験を積んだ中堅選手も招き、11月3日の初戦に向けて準備を進める。
市民にチームを広く知ってもらい、応援を得ようと、9月27日にはお披露目試合をホームの大浜だいしんアリーナ(堺市立大浜体育館)で開催し、滋賀県のチームと対戦。約800人が観戦に訪れた。
堺リエゾン大阪が前半をリードして折り返したが、後半は相手に幾度もゴールを阻まれ、一時逆転を許した。しかし、試合終了約2分前に再度逆転。32―31の接戦を制し、お披露目の場で勝利を飾った。
試合が進むにつれて、会場の盛り上がりも増し、観客から「リエゾン」と応援のコールも響いた。試合後、土田航平主将(29)は「応援が力になり、最高の舞台でスタートを切れた。リエゾンをもっと知ってもらえるようにがんばりたい」と話した。
堺リエゾン大阪の11月3日の初戦相手は琉球コラソン。8日午後6時半から大浜だいしんアリーナで、レッドトルネード佐賀と初めてのホームゲームに臨む予定。


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