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【阪南市】市役所本庁舎を耐震補強 計画策定等を阿波で進む(日刊建産速報社)

 阪南市は、建築から50年となる「本庁舎」の耐震性能を確保するため、本庁舎における耐震改修等に関する設計、補強計画の策定、判定委員会の判定等を行う業務を阿波設計事務所に委託し作業を進めている。納期は24か月。

 市役所本庁舎は、同市尾崎町35―1の敷地面積約1万0486㎡にRC造地下1階地上3階建延約4872㎡の規模で75年に建築された旧耐震基準の建物。23年3月に策定した本庁舎個別施設計画において、目標使用年数を築70年に設定している一方で、耐震性能の確保を着実に行うことが急務となっており、耐震診断の早期実施及び診断結果に基づく必要な耐震改修を実施方針としている。同敷地内には別棟(会議室等)と倉庫・車庫等の用途を持つ複数の付帯施設がある。建物の外部は2階の南東側に屋上庭園があり、屋上には空調室外機、高架水槽等の設備機器がある。また、建物内部の構成は各階いずれも長軸方向に中廊下を配置しており、1階は市民窓口業務を行う関係各課で構成され、2階は市長室、副市長室他、教育委員会や内部事務を行う関係各課で構成され、3階は議場を含む議会関連の部屋を中心とした構成となっている。一方、地下1階には守衛室、更衣室、機械室、倉庫、テレワークステーションがある。

 本庁舎は、市民の安全、生活を守る特に重要な施設であり、大規模災害が発生した場合でも、十分な機能確保が求められることから、災害対策の拠点である本庁舎の耐震化にあたっては「Ⅰ類」(重要度係数1・5、Is値0・9以上、CTU・SD値0・45以上)・「A類」・「甲類」の基準を目標とする。耐震診断結果は1階のX方向(北東―南西方向)のIs値が0・38と最も低く、「大規模な地震(震度6以上)に対して、倒壊又は崩壊する危険性がある」という結果となっている。各階における全てのIs値が0・3を上回る結果であり、かつ、コンクリート強度及びコンクリートの中性化深さ測定結果についても直ちに耐久性に支障をきたす状況でないことから、耐震改修工事によりその耐震性能を向上させる。

 耐震工法は▽在来工法=19か月の工期を見込み、概算コスト(大規模改修を除く)が構造補強等のみ4億1600万円▽PCアウトフレーム工法=12か月の工期を見込み、概算コスト(大規模改修を除く)が構造補強等のみ5億7000万円▽ピタコラム工法=18か月の工期を見込み、概算コスト(大規模改修を除く)が構造補強等のみ5億0700万円―の3工法が補強案とし、1つの工法のみで耐震改修工事を実施するのではなく、異なった工法を複合的に施工が考えられ、様々な観点で本庁舎にとって望ましい工法を検討している。また、廃止した設備機器類や、劣化の激しいコンクリートルーバー(屋上設備機器類の目隠し)及び2階屋上庭園の土などの荷重低減による補強数の整理も検討している。

日刊建産速報社

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