6日投開票の大阪府岸和田市長選は、女性問題を巡り失職した無所属前職の永野耕平氏(46)を相手に無所属新人、佐野英利氏(45)が6倍以上の票差をつけて圧勝した。自民党系や公明党、共産党をはじめとする地元市議21人による共闘が功を奏した形だが、個別政策への考え方は党派によって異なる。首長や議員経験のない佐野氏の政治手腕も未知数で、選挙結果が市政の安定化に結びつくかどうかは不透明だ。
7日午前、市選挙管理委員会の池川美津雄委員長から当選証書を受け取った佐野氏は「すべての市民のために働いていく。親しみのある、話しやすい市長になりたい」と決意を述べた。
岸和田市政は永野氏の女性問題が発覚した昨年11月以降、混乱した。永野氏は不倫関係にあった女性から提訴され、解決金500万円を支払うことで和解。翌12月に続き今年2月に市議会が不信任決議案を可決したことで永野氏は失職。令和7年度一般会計当初予算に盛り込まれるはずだった公共施設の照明のLED化や、こども園の整備といった政策的な経費の予算化が凍結された。
佐野氏は、混乱した市政の正常化を目的に「今回の市長選への出馬を決めた」と明かす。
選挙戦では、自民系、公明、共産の地元市議らが佐野氏を推した。岸和田市議会の定数は24。ある市議によると、永野氏がかつて所属した地域政党「大阪維新の会」の市議や永野氏の妻、紗代氏(38)らを除く21人の市議が佐野氏支援に回ったといい「永野氏を再び市長にしてはいけないという思いで一丸となった」と選挙戦を振り返る。
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