大阪府・岬町は、道の駅みさき北側・西陵古墳周辺において、「農業公園」の整備を計画し、今回、農業公園のあり方や整備に向けた具体的な進め方等を示す基本計画を策定するため、同みさき農業公園基本計画(素案)をとりまとめた。
同町では、19年度に「みさき農とみどりの活性化構想」を策定。同活性化構想では「道の駅みさき北側・西陵古墳周辺」において、農業公園を整備する方針が位置づけられている。(仮称)みさき農業公園基本計画は活性化構想の中核的な機能を持つことになる「(仮称)みさき農業公園」の整備に向けて、おもに観光、農林業、特産品等の視点から、みさきらしい公園となるように農業公園のあり方や整備に向けた具体的な進め方等について示した基本計画として策定する。対象地は面積約24ha。道の駅みさきの北側に位置し、おもに市街化調整区域にあり、田を主にした農地が面的に広がっているが、近年は遊休農地化の進行が顕著になっている。また、近接する西陵古墳は国指定の史跡となっており、農空間の保全とあわせた活用が求められている。
基本理念(整備コンセプト)は①岬町が有する自然環境を活かした農やみどりに親しむことができる活性化拠点づくり(農業公園)〈泉州野菜を楽しむことが出来る農家レストランや果物狩りスペース、体験農園エリアの他、芝生広場、ドッグランなど〉②農業公園を核とした町が抱える農(業)にまつわる課題の解決〈担い手育成、新規就農者支援につながる施設の整備、岬町の特産品開発など〉③農業公園が「ハブ的役割」を担う、町全体のアグリパーク化〈既存の取組(ブルーベリーなど)の応援、新たな農業振興策の検討など〉④行政(町)、事業者(民間)、町民の連携による事業の推進⑤本町の定住人口や関係人口の増加、賑わいや活力の増進。①~③に関連する施設整備や取組等については優先順位をつけながら具体的に推進していく。
整備機能は、「特産品開発」「農業・生産支援」「観光・交流」「加工」「消費」の5つの機能を想定。各ゾーニングイメージにおける機能の考え方は▼観光・交流エリア=町内外から訪れる人が利用できる地域コミュニティの場となる芝生広場のほか、農とふれあうことができる貸農園等の農業体験施設やキャンプ場等を整備▼特産品開発エリア=岬町の特産品(レモン、ライム等)を研究・開発するためのエリアとして整備▼農業・生産支援エリア=町内で新規就農に取り組みたいと思っている人々向けの就農支援講座をはじめ、営農や農地管理に係る知識・ノウハウの習得を行うための施設を整備▼消費エリア=地域の農産物等を活かした商品を提供するカフェや加工品を販売するような施設を整備▼加工エリア=地域の農産物や魚介類、ジビエ肉等について、地域の特産物として加工する施設を整備▼エントランスエリア=農業公園利用者の駐車場をはじめ、管理棟など含むエントランスエリアとして整備。
整備・運営手法は近年、公共公益施設の整備にあたって、様々な民間活力(資金力、経営能力・技術力等のノウハウ)の導入が検討されている。今回の事業においても効率的・効果的な施設整備と管理運営を可能とする事業手法について検討する。
事業手法により想定されるスケジュールは変わるが、先行開発区域の整備(ステップ1)を想定した場合の「公設民営」と「民設民営」の2パターンの一般的なスケジュールをは▽公設民営(業務委託、指定管理者制度・DBO)=25~26年度に官民連携手法導入可能性調査、28年度に基本・実施設計、29~30年度に工事、30年度末にオープン▽民設民営(PFI)=25~26年度に官民連携手法導入可能性調査、28年度に民間事業者選定、29年度に基本・実施設計、30~31年度に工事、31年度末にオープン。
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