大規模災害が発生した際に、視覚障害がある人たちにつえを貸し出せる体制を整えようと、大阪・堺市はつえを備蓄する取り組みを始めました。
約2300人の視覚障害がある人たちが住む堺市は、点字版や音声版のハザードマップを作成するなど、防災対策に力を入れています。
この一環で、市は視覚障害者用のつえを備蓄する取り組みを去年12月から始め、これまでに長さが調整できるものなど3種類のつえを、合わせて162本確保しました。
視覚障害者の防災対策に詳しい堺市の視覚・聴覚障害者センターの原田敦史所長によりますと、東日本大震災の際には、視覚障害がある人がつえを持ち出して避難できず、避難所で苦労した事例があったということです。
自治体が視覚障害者用のつえを備蓄する取り組みは、全国的にも珍しいということで、市は今後、7か所の区役所で保管し、災害の際に希望する人がいたら無償で貸し出すことにしています。
堺市防災課の有村尚樹さんは「災害時にはつえが壊れて使えなくなってしまうケースも考えられるので、市としても備蓄することで少しでも不安を解消し安心して避難生活を送る一助になればと思います」と話していました。
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