堺市は、中百舌鳥駅周辺活性化基本方針を踏まえ、交通結節機能の最適化や民間活力を導入した都市機能の強化など、都市拠点に相応しい駅前空間の具現化に向け、「中百舌鳥駅前北側広場再整備基本計画(案)」を取りまとめた。
現在の中百舌鳥駅前北側交通広場は、80年5月に都市計画変更を行い、面積は約7100㎡。広場の地下には中百舌鳥駅第3自転車駐車場(96年8月都市計画決定)約3100㎡(2000台)がある。同市は中百舌鳥駅前北側交通広場を再編に向け、堺市基本計画2025及び堺市都市計画マスタープランに基づき、上位計画に示す将来像の実現に向け、中百舌鳥エリアの核である中百舌鳥駅周辺駅前広場エリア、北部エリアを中心の役割や取組の方向性を示す「中百舌鳥駅周辺活性化基本方針」を策定した。今回、同方針に基づき、「利用者の利便性向上に資する乗継改善」、「公民連携による賑わいや魅力の創出」、「居心地がよく歩きたくなるウォーカブルな駅前空間の形成」等の視点で、駅前広場の再整備のコンセプトや動線計画、各交通機能及び駅前広場等の空間機能の整備方針等を示す「中百舌鳥駅前北側広場再整備基本計画」を今年度に策定し、その後、実現に必要となる都市計画案を作成する。
駅前広場の再整備に伴う機能の拡充等は①駐輪場の配置=駐輪場の配置は現状の利用状況やシェアサイクルの活用の可能性等を踏まえて検討。なお、配置先(駅前広場、駅南側、北部エリア等)は今後関係者等と協議し決定する②公衆トイレや喫煙スペースの配置=施設の管理者と協議し各機能を確保。特に喫煙スペースは駅前空間の再編による人流の変化を見据えて受動喫煙の影響が少ない配置を検討する③民間活力を導入した拠点施設の整備=駅前広場の再整備にあわせて駅前空間を活用してイノベーション創出と中百舌鳥駅周辺の活性化に資する商業、業務及び多様な交流機能を有する民間活力を導入した拠点施設を整備④安全快適で使いやすい乗継動線=南海電鉄・泉北高速鉄道中百舌鳥駅とOsakaMetroなかもず駅間では南海電鉄・泉北高速鉄道中百舌鳥駅の改札階からロータリーの上空や拠点施設を経由してOsakaMetro8号出入口方面をつなぐ乗継動線を新たに設けて歩行者の安全快適な動線を確保。また、高齢者や障害のある方等も含めた使いやすいバリアフリー動線を確保。さらに、乗継動線の整備等にあわせて道路の美装化を検討。なお、駅前空間の再編とあわせた駅施設等の改良などの取組として、OsakaMetroでは改札やエスカレーターの増設による乗継時間の短縮等の乗継改善について検討⑤滞留空間の創出=公民連携によりひとの交流や活動を促すひとが滞留したくなる空間を創出⑥周辺へのつながりの強化=駅まち空間として北部エリア等との一体性や駅南側とのつながりを強化するため、ロータリーの上空や拠点施設を経由して周辺への回遊性を高める歩行者動線を確保。また、中百舌鳥駅周辺エリアへのアクセス手段のひとつとして、シェアサイクルだけでなく今後次世代モビリティ等の活用ができるように駅前空間を再編する。
都市計画変更の内容は▽中百舌鳥駅前線(中百舌鳥駅前北側交通広場)=将来の駅前広場利用者数に対して必要な交通処理機能の施設の規模・配置・面積や人の動線の見直しと、駅前空間における公民連携による乗継経路・滞留空間・拠点機能等の交通結節点の機能強化を図る。また、歩行者と車両とが交錯しない円滑な交通処理、安全・安心な歩行者交通ネットワークの形成及び駅間における乗継利便性向上のため、駅前広場を立体利用する(駅前広場区域の縮小と駅前広場の立体利用範囲の設定等)▽中百舌鳥駅第3自転車駐車場=当該駐輪場の利用状況等を踏まえて駐輪場の適正配置を行う(駐輪場の再配置)▽中百舌鳥駅前地区地区計画=(1)商業・業務等の多様な機能の確保や人の回遊を促す滞留したくなる空間の創出等といった都市空間の形成による中百舌鳥駅周辺エリアの活性化に向けて建築制限や民間投資を促進する各種制度の柔軟な活用を促す(建築制限、容積率や斜線制限の緩和等)(2)駅間における乗継利便性の向上や駅前広場利用者の安全・安心な歩行者動線を確保する(立体道路制度を活用した場合の駅前広場の立体利用範囲の設定、乗継経路等の地区施設等への位置づけ)。
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