市内9施設で催し 御湯印帳販売、「満願」達成で泉州タオル
犬鳴山温泉や昭和レトロな銭湯などが残る泉佐野市で、入浴関連施設を巡るイベント「泉佐野湯道9選」が行われている。市内の9施設を利用したり、訪れたりして、施設を描いたイラスト「 書置 き」を“御湯印”として集めると、泉佐野名産の泉州タオルが贈られる。(門間圭祐)
市内には、犬鳴山温泉をはじめ、昭和の雰囲気をたたえ、市民に親しまれる共同浴場などがある。イベントは、こうした銭湯や温泉のある街の良さを知ってもらおうと市が企画し、昨年11月26日(「いい風呂の日」)に始めた。
市内9か所の銭湯や温泉施設などで「御湯印帳」を提示すると、施設の外観や施設内の浴室のイラストが描かれたオリジナルの書置きを受け取れる。
9か所の施設の中には、戦前に建てられた歴史的建築物や、昭和に開業し、今も現役の銭湯などがあり、市の風呂文化の奥深さを味わうことができる。
「大将軍湯」の建物(同市本町)は、昭和初期に建てられた国の登録有形文化財だ。2階建ての建物は、正面に唐破風の玄関を構え、塀には彩色したタイルが張られている。浴室棟は吹き抜けで、浴槽と床には御影石を用いるなど、戦前に市内に建てられた公衆浴場の特徴を今に伝えている。
廃業して、今は見学者のみ受け入れている。市によると、来年に改修工事が始まり、2027年度中に銭湯として復活するという。
「羽倉崎温泉」(同市東羽倉崎町)は1965年頃に開業した現役の銭湯。女湯の脱衣所に赤ちゃんベッドと一体化したロッカーがあったり、熱めのお湯やタイル張りの浴槽など昭和レトロな銭湯の趣を色濃く残している。
御湯印帳は、「旧朝日湯」の建物(同市元町)に入る市教育委員会文化財保護課と「犬鳴山温泉 み奈美亭」(同市大木)「なごみ湯」(同市笠松)の3か所で、1冊1980円(税込み)の400冊限定で販売。表紙に泉州タオルの生地を用い、9か所全てを巡って「満願」を達成すると、オリジナルの泉州タオルが1枚もらえる。
「み奈美亭」の 女将 、南一早枝さん(57)は「コロナ禍が明けて、犬鳴山温泉を訪れる外国人客も増えてきた。御湯印帳で各施設を巡り、泉佐野にこんな温泉や銭湯があるんだと、もっと知ってもらいたい」と期待する。
問い合わせは同課(072・447・6766)へ。
この記事へのトラックバックはありません。