堺市は、世界遺産登録された百舌鳥・古市古墳群による来訪者の増加を踏まえ、大仙公園と周辺エリアを交流拠点としていくため、旧大阪女子大学跡地に博物館・ガイダンス機能を備えた「(仮称)堺ミュージアム」の整備を計画、25年度当初予算案で162万8千円を計上し、25年度から懇話会を立ち上げ、基本構想策定に向けて意見聴取し、基本構想案をとりまとめる。
同市では、世界遺産登録効果による来訪者の増加を継続的なものとするため、来訪者の満足度を高める短期的な取組が必要としている。また、この大仙公園と周辺のエリアを堺市の交流拠点としていくためには博物館や図書館等、堺の貴重な歴史・文化資源の魅力を伝える機能のあり方の検討等、中長期的な展望を描いた中で方向性を決定していくことが必要であり、大仙公園と周辺のエリアの魅力創造に向け、堺・世界遺産魅力創造ロードマップ(案)で短期的(25年度目処)に実施する主な取組と中長期的(30年度目処)に検討を進める項目を盛り込んだ。短期的取組は毎年度の進捗状況を踏まえ取組内容を検証しながら進め、中長期的展望は今後取組を具体化していく中で議論を深める。
そのうち、大仙公園には堺市博物館や中央図書館等、開館から長い期間が経過している施設が存在し、これらの施設の将来的な方向性を検討する必要があり、博物館の施設・設備については老朽化が顕著で、随時補修等の対応をしている。また、現在常設展示スペースしかなく、企画展・特別展の開催にあたっては、設計上来館者の利便性や展示資料・作品の盗難等の恐れなどの課題がある。このような状況を踏まえ、旧大阪女子大学跡地を候補に博物館やガイダンス機能を備えた「(仮称)堺ミュージアム」を整備する。同施設には博物館やガイダンス機能のほか、ミュシャ作品・ヒストリックカー等の美術作品の展示機能、飲食・物販を整備する。整備の課題としては大仙公園区域外だが、仁徳天皇陵古墳西側では唯一と言える空閑地であり、整備に際は大仙公園との連携が不可欠。また、公園内での短期的な取組の成果を踏まえ、大仙公園及びその周辺の魅力をさらに高める機能を見極めて整備を進める必要がある。
また、堺・世界遺産魅力創造ロードマップ(案)の将来像とエリアコンセプトにおける民間の経営感覚を活かしたエリア運営として、公園運営や今後導入する集客機能等について、民間サウンディング等を通じ、可能な限り民間活力の導入を図り、(仮称)堺ミュージアムを含めた大仙公園周辺エリアに民間活力を導入し、さらに魅力向上をさせる考え。
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