大阪府泉大津市豊中町1丁目の泉穴師神社で、台風によって倒れた神木を夜の闇に浮かび上がらせる取り組みが行われている。市と神社はこの木を「自然災害遺産」と位置づけ、災害の教訓を後世に伝えていきたいという。
飛鳥時代の創建と伝わる神社の神木は樹齢600年のクスノキ。幹回り4・25メートルの巨木だ。
広く信仰を集めてきた神木だったが、2018年9月の台風21号で倒れてしまった。関西空港の連絡橋にタンカーが衝突した、あの台風だ。
倒れた神木は当初、撤去が検討された。だが津守康有(やすゆき)宮司(53)は、毎年のように各地で自然災害が発生しても、その記憶は薄れているのではないかと感じていた。「今後の教訓となる『災害遺産』として残し、多くの方々に見ていただいた方が、御神木も喜んでくださるのではないか」と思い直した。
ただ、周囲の整備や維持管理に費用がかかる。そこで氏子や市の関係者と話し合い、クラウドファンディングで資金を集めることにした。翌19年、目標の50万円を上回る約150万円が延べ116人から寄せられた。
樹木医が診断したところ、倒れた神木は枯死していなかった。一部の根が生きており、そこから養分を吸って芽吹き始めていた。
神木は、境内の森の中に残っているものの、夜が更けると真っ暗でよく見えない。
そこで、市は今年11月13日、イルミネーションやライトアップのイベントを手がける屋外照明専門メーカー「タカショーデジテック」(和歌山県海南市)と連携協定を結び、この日から神木、そして拝殿や鳥居もライトアップする催しを始めた。
ライトアップは来年1月11日まで、午後6時から3時間行われる。今後、他の魅力的なスポットもライトアップし、観光資源の発信や回遊による市民の健康増進にもつなげていくという。
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