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【岸和田市】市長、性的関係めぐり和解 地裁「優越的な立場、非難免れぬ」(朝日新聞)

 大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)が政治活動で関わりのあった府内の女性と性的関係を続けたことをめぐり、女性が約2280万円の賠償を求めて大阪地裁に起こした訴訟があり、市長が謝罪して解決金500万円を払うことで和解したことがわかった。

 永野市長は取材に対し、「弁護士にお願いしている」とした。代理人の弁護士は「和解勧告は当方に法的責任がないことを示している」などとし、「現時点では回答を差し控える。辞職する考えはない」とコメントした。「法的責任」の趣旨について改めて尋ねたが、回答はなかった。

 14日付の和解調書によると、地裁(林潤裁判官)は「市長の地位や日頃の言動からうかがわれる影響力、女性の就業歴や年齢を考慮すると、純粋に対等な関係だったとはいえない」と指摘。市長が「雇用を左右しうる優越的な立場にあって、両者には社会的な上下関係がおのずと形成されていた」と認め、公人で配偶者がいることにも触れて「非難を免れない」との所見を示した。

女性「拒みきれず」、市長「同意あった」

 訴状で女性側は、2019年に市長と知り合うとすぐに食事に誘われ、6月から性的関係を求められたと主張。21年1月ごろまで何度もホテルに連れて行かれたが「上下関係があり、仕事を辞めさせられるかもしれないと思うと拒みきれなかった」と訴えた。

 女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、同年春ごろから休職。府警に強制性交罪で被害届を出したが、大阪地検が12月に不起訴としたため、22年6月に提訴した。市長は性的関係について「同意があった」と反論し、請求を退けるよう求めていた。

 永野市長は18年に大阪維新の会公認で初当選し、現在2期目。

 原告代理人の雪田樹理弁護士は「実質的な勝訴和解」と評価し、「地位や立場を利用して性的関係を持つことも性暴力だという認識が広まっている。そのようなケースは抵抗が難しく、被害が長期化・重篤化しやすい。自覚を欠いた行動で深く傷つき、社会生活に支障が出る人がいることを広く知ってほしい」と話した。

朝日新聞

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