大阪の堺市消防局は、通報を受けた際に近くを走る車のドライブレコーダーの映像を取得する実証実験を行っていて、事故現場にスムーズに到着できたなど一定の効果が出ていることがわかりました。
堺市消防局はトヨタ自動車と共同で市内のタクシーやバス会社などが所有する車およそ400台に専用のドライブレコーダーを設置し、通報を受けた際、近くにいる車の映像を呼び出す実証実験を行っています。
交通事故の通報を受けた際にいち早く現場の状況を把握するのがねらいで、実験を始めた去年12月からことし8月末までの状況をこのほど発表しました。
それによりますと、現場の映像が必要だと判断した493件のうち、26%にあたる130件で映像をすぐに取得でき、実際の救助活動に役立ったということです。
高速道路上でトラック2台が横転した事故では、反対車線を通って近づくことを検討しましたが追い越し車線が通行可能であることがわかり、スムーズな到着につながったとしています。
また、歩行者が車にはねられた事故では倒れて動かない状態を確認し、ドクターカーを出動させました。
その結果、救急車で病院に搬送するより15分程度早く現場で医師が救命措置を行うことができたということです。
堺市消防局とトヨタ自動車は有効性が確認できたとして、ドライブレコーダーの搭載車両を増やすなど本格的な導入に向けて調整を進めていくことにしています。
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