大阪南部高速道路は、近畿道がカバーしていない南東部エリアをむすぶものです。
国土交通省が2021年に策定した「新広域道路交通計画」にも記載され、ざっくりとしたルートとしては、岸和田SAあたりから分岐して、河内長野、富田林、羽曳野、藤井寺を経由し、南阪奈道と西名阪道に接続するというものです。
これらのエリアは国道170号がつながっており、古くからほぼ全線で4車線バイパス化されていますが、生活道路と混在し、信号が連続して各所が渋滞スポットとなっているのが課題です。
そこで、自動車専用道として「完全信号ゼロ」な道路を整備し、和歌山・関空・奈良・大阪方面へスムーズな連絡を図るのが、この大阪南部高速道路です。
実現すれば、奈良方面から関空方面への第二ルートとなるほか、大阪方面にとっても混雑分散の効果が期待されます。さらに通行止め時の補完ルートの役割も担います。
この構想は有料道路事業による整備が念頭に置かれていて、京奈和道のような「無料バイパス」というよりも近畿道のような形になりそうです。
気になる進捗ですが、事業化促進協議会が2015年に発足。関連する15市町村によって、機運を高めて検討を進めていこうと活動を続けています。「南河内地域道路網調査検討会」によって、まずは費用対効果がどのようなものかという調査が行われ、まちづくり計画、道路交通課題などを詰めていく段階になっているといいます。
2023年2月には、協議会が国土交通大臣に要望を行ったところ、大臣から「事業を前に進めるには大阪府の思いが大事です」という言葉を受けたそうです。
それをうけて直後の府議会では「大阪府は思いがあるのか。府の思いが国に伝わってないんじゃないか」という、不安の声もありました。
ともあれ、まず事業化への第一歩は、「計画段階評価」によって概略ルート選定を行うことから始まります。その後都市計画決定と環境アセスメントの手続きが完了すれば、いよいよ事業化を待つ段階になります。
計画段階評価に至るまでは、地元が基礎調査などで、その重要性をアピールすることが肝心となります。大阪府はその調査検討をどれだけ早くパッケージ化完了させられるのか、今後の動向に注目です。
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