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【泉大津市】自分で書く一票を 記入支援ツールを導入(NHKニュース)

視覚に障害がある人たちが投票用紙に候補者名などを記入する際に役立ててもらおうと、大阪・泉大津市は投票用紙の記入場所を手触りで確認できるようにする支援ツールを、今回の衆議院選挙で初めて導入しました。

泉大津市の選挙管理委員会が作成したのは、投票用紙に候補者名や政党名を記入する場所を手触りで確認できるようにする支援ツールです。
クリアファイルには、長方形の穴があけられていて、投票用紙を上向きに挟むと、候補者名などを書く欄がぴったり当てはまるようになっています。
位置が手触りでわかるよう、穴の周囲には、厚紙が貼られているのもポイントです。
候補者名や政党名は、欄からはみ出して書いても有効票として扱われますが、こうしたツールがあると、より欄の中に書きやすくなるということです。
選挙管理委員会が、今回、このような支援ツールを手作りしたのは、ことし7月、市内に住む視覚に障害がある男性から相談を受けたことがきっかけでした。
「選挙の際は、ふだん、代理投票を利用しているが自分で投票用紙に書いて投票してみたい」。
この声をうけて、職員たちはすでに導入している神奈川県厚木市などの事例や、相談を寄せた本人の意見も取り入れながら、今回のものを完成させたということです。
作成を担当した泉大津市選挙管理委員会事務局の小門弘展 次長補佐は「相談を寄せていただいた方にも意見を聞きながら、試作を重ねてこの形になりました。その方からは『これなら書けそうです』と喜んでもらえてうれしかった」と話していました。
泉大津市の選挙管理員会は、今回の衆議院選挙で設けられる期日前と投票日当日の投票所、あわせて21か所に、このツールを配備することにしています。

【広がる支援ツール】
こうした支援ツールは、全国的に広がりを見せています。
視覚に障害がある人向けの道具の販売などを手がける東京の日本点字図書館によりますと、同様のツールを商品化し、ことし4月から販売を始めたところ、今月(10月)15日の時点で全国54の自治体が導入したということです。
泉大津市など、自治体でも手作りで導入するケースが相次いでいることについて、視覚に障害がある人たちの当事者などで作る団体、「大阪市視覚障害者福祉協会」の川越利信会長は「視覚障害者の方でも見え方はさまざまで、ほとんど見えない方でも勘で字は書ける場合もある。たどたどしい字であっても、自分がこの人に一票を投じたいという人の名前を自分で記入することは実感が伴い、大変意味があることなので、ツールがあるのは大変いいことだ。こうしたツールの導入がもっと広がれば選挙により行きやすくなるし、投票したという実感を持てる人が1人でも多くなったらいいと思います」と話していました。

【他の支援メニュー】
泉大津市は、この支援ツール以外にも、障害の影響などで投票の際に支援が必要な人に活用してもらおうと、▼対応してほしい内容が書かれたイラストを指さしで知らせることができる「コミュニケーションボード」や▼必要な支援方法を書き込んで伝える「投票支援カード」も、期日前も含めてすべての投票所で用意しているということです。
これらの支援ツールは泉大津市以外でも各地の自治体で導入しているケースがあります。
活用を検討している方は一度、お住まいの自治体に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

NHKニュース

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