1.伝統的工芸品の新規指定等について
新潟県佐渡市の「佐渡無名異焼」及び大阪府和泉市の「いずみガラス」は、令和6年8月20日に開催した産業構造審議会商務流通情報分科会伝統的工芸品指定小委員会において審議を行った結果、新規指定することについて了承されたことから、本日、官報告示し、経済産業大臣指定品目となりました。これにより、伝統的工芸品は243品目となります。
伝統的工芸品として指定されることにより、「伝統的工芸品」の名称が使用可能となります。また、産地組合等が振興計画等を策定し認定を受けることにより、後継者育成や需要開拓といった取組について、伝統的工芸品産業支援補助金の支援を受けることが可能となります。支援補助金の活用により、産地振興、ひいては伝統的工芸品産業全体の振興につながることが期待されます。
(参考)伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)
伝統的工芸品産業の振興により、国民生活に豊かさと潤いを与えるとともに、伝統的技術・技法の伝承や地域の経済発展・雇用の創出に寄与することを目的とした法律。「伝統的工芸品」の指定要件等を規定。
※ 伝統的工芸品の指定要件(伝産法第2条)
(1)主として日常生活の用に供されるものであること。
(2)その製造過程の主要部分が手工業的であること。
(3)伝統的な技術又は技法により製造されるものであること。
(4)伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること。
(5)一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること。
2.新規指定品目の概要
(1)「佐渡無名異焼」(佐渡無名異焼の会)
- 江戸時代に技法が確立した焼き物。
- 無名異土と呼ばれる鉱山の坑内から産出される酸化鉄を含んだ赤土の粘土を使って焼成したもので、他の陶土より粒子が細かく、収縮率が大きいことが特徴。
- 成型から乾燥まで約3割も収縮し非常に固く焼き締まるため、成形に高い技術が必要。
- 現在も伝統的な技法が継承されており、11事業者、26名の従事者がいる。
焼成により収縮する様子
(2)「いずみガラス」(日本人造真珠硝子細貨工業組合)
- 19世紀後半に技術が伝来し、20世紀初頭に技法が確立したガラス製品製造技術。
- 軟質ガラスが素材のため融点が低く、灯油ランプによるランプワークでの製造が特徴で、温度の調整幅が広いことから豊富なカラーバリエーションを実現できることが特徴。ガラスを巻き取って成形するため、職人の技術が問われる。
- 現在も伝統的な技法が継承されており、82名の従事者がいる。
関連資料
参考1及び参考2:最近の新規指定状況、伝統的工芸品産業の振興に関する法律の関連規定の抜粋(PDF形式:99KB)
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