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【泉大津市】逃げ場なく「このままでは…」 高層住宅で火災 高齢者どう身を守る(毎日新聞)

煙が充満していた。周りが見えず、進むことも戻ることもままならない。「このままだと死んでしまう」

 高層の公営住宅で、住民39人が病院に運ばれる火災が起きた。負傷者の半数以上は避難中の高齢者だった。なぜ被害は拡大したのか。住民らの証言から、高層住宅で暮らすお年寄りが抱えるリスクが見えてきた。

 穏やかな時間が流れる土曜日の昼時だった。大阪府泉大津市にある「府営泉大津要池住宅」では4月19日、多くの住民がいつものようにテレビを見たり、昼食の準備を進めたりしていた。

 14階建ての6号棟で暮らす上田進さん(74)は正午ごろ、ベランダの外で煙が漂っているのに気づいた。台所の小窓からのぞくと、黒い煙が立ち上ってきた。「火事だ!」

 ガスの元栓を閉めるなどした後、部屋を飛び出した。玄関を出ると、階下から鈍い爆発音が聞こえた。しばらくして火災報知機が鳴り響いた。

 火元は4階の一室だった。噴き出した炎は付近の部屋に燃え広がり、建物は黒煙に覆われた。

 11階で暮らす上田さんは腰が悪く、移動につえが欠かせない。普段はエレベーターを利用するが、危険を感じて階段に向かった。火災を検知したエレベーターは午後0時7分に停止していた。

「このままだと危ない」

 建物内は電気も…

毎日新聞

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