堺市は堺区市之町西1の旧堺消防署跡地の活用に関する事業方針を近く固める。引き続き、2025年内の事業者公募を目指して募集要項の検討に入る。市民意見の取りまとめが完了したことを受け、施設整備・運営を担う民間事業者の選定に向けた手続きを進める。
同用地は大小路筋と大道筋が交差する市中心部の環濠エリアに位置し、敷地面積は1170平方メートル。商業地域に指定され、建ぺい率は80%、容積率は400%と600%。地下1階地上3階建て延べ1462平方メートルの庁舎棟(築56年)と、3階建て延べ153平方メートルの倉庫棟(築47年)が残っている。
市が2月に策定した方向性案では庁舎棟は外壁や屋上防水、設備などを改修し、倉庫棟を解体する。市が土地と建物を所有したまま、民間事業者に貸し付ける方法を採用する。貸付期間は20年。1階部分は誰もが憩える開放空間とし、芝生広場やマルシェ、飲食店などを想定。地域住民や観光客の交流拠点として整備する。
2~3月に実施した市民意見募集では既存建物の活用に賛同する声が多く、地域のアイデンティティー再構築への期待、図書館や子育て世代向けの空間など多様な提案が寄せられた。市は「歴史的建物を生かした空間整備」として多くの意見を尊重する考えを示し、将来的な活用像の議論もワークショップなどを通じて継続していく。
事業者の選定後は、設計を経て27年度の着工、29年度の供用開始を目指す。歴史文化資源が集積する環濠エリアの拠点として、堺都心部の都市魅力を高める施設づくりを進める。
【堺市】旧堺消防署跡活用へ近く事業方針固める、年内にも事業者公募(日刊建設工業新聞)
コメント
コメントは利用できません。
- トラックバック ( 0 )
この記事へのトラックバックはありません。