文化施設の建設計画の停滞をめぐり、栗山美政町長が議会に対して自身への不信任決議案を出すよう求めていた大阪府田尻町で9日、一部の議員が計画についての住民投票条例案を臨時議会に提出した。賛成多数で可決されたが、町長が地方自治法に基づく「再議」を求め、再度の可決に必要な3分の2以上の賛成は得られず、廃案となった。
町は、2022年に防災機能を備えた「町総合文化センター(仮称)」の基本計画を策定。栗山町長は23年11月の町長選で、建設の推進を掲げて3選した。しかし、整備費用などをめぐって議会の賛同が得られず、建設についての専門家委員会の設置案も否決された。
議会との対立が続くなかで町長は今年3月、「町民の判断を仰ぎたい」として、議会に対して自身の不信任決議案を出すよう要望。決議されれば議会を解散し、自らも辞職して町長選、町議選で町民に問いたいとした。
議会側は不信任決議案は出さず、一部の議員が住民投票条例案を提出。賛成5、反対4で可決されたが、町長が「民意は町長選挙で表明されている」として再議を求めた。
再議の末に条例案が否決された後、栗山町長は「頭を整理して対応を考えたい。まちづくりを遅らせてはいけない」と述べた。条例案に賛成した議員の一人は「極めて残念。解決には住民投票しかない」と話した。
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