特殊詐欺を見破ったとして、大阪府警堺署は19日、堺市中区を拠点に訪問リハビリを行う「はやし治療院」の院長、林秀憲さん(49)に感謝状を贈呈した。岡野明子署長は「尊い志で被害を食い止めていただき心強い」と感謝した。
2月26日、林さんがリハビリを支援する堺市堺区の90代女性宅を訪れると、固定電話の受話器を持ち不安げな表情の女性が話し込んでいた。
堺署によると、「山口県警の警察官」と称する人物などから「あなた名義の携帯電話で迷惑電話が多数かけられている」などとする典型的な特殊詐欺の電話だったという。
林さんは「人間が不安を感じたときに発する特有の匂いを嗅ぎ分けられる」といい、女性からもその匂いが発せられていたという。動揺する女性の様子に異変を察知した林さんが女性の走り書きを読み取ると、違和感は確信へ変化。女性に警察への通報を促し、特殊詐欺被害の防止につながったという。
林さんが受け持つ患者の9割以上は高齢者。そのため、普段から特殊詐欺や悪質な訪問販売などの情報を伝えている。林さんによると、詐欺師の多くは一方的に話して被害者が考える時間を奪い、周囲へ相談されないように電話を切らせないという。一方、被害者は周囲に打ち明けずに抱え込むこともあるとして「こちらから積極的に話を振ることが必要」と話す。
府警によると、令和6年に府内で発生した特殊詐欺の発生件数(速報値)は2658件で前年比2件増。一方、被害金額(同)は64億円と約27億円増加している。
林さんは「詐欺にすぐに気づくことができるように日ごろから話し合うことが大切」と話していた。(鈴木文也)
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