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【和泉市】「書かない窓口」申請楽々(読売新聞)

記入の煩わしさなし 職員の作業負担軽減

年度末 混雑緩和に期待

 役所での届け出や証明書発行の申請書類に記入する手間を大きく減らす「書かない窓口」の導入が広がっている。行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の一環で、記入の煩わしさが減って、職員の作業負担も軽減。窓口の混雑解消にもつながると期待される。(北口節子、土谷武嗣)

 2月20日、大阪市役所で「書かない窓口」の報道公開が行われた。

 専用端末でマイナンバーカードを読み取ると、氏名や住所、生年月日、性別の基本情報が印字された申請書が発行され、記入の手間が大幅に省かれる。今月12日から市内の全区役所や出張所で運用を始める予定で、操作を体験した横山英幸市長は、「入力作業の正確さが向上し、バックヤードの作業効率化にもつながる」と期待を示した。

 専用端末でできることは、転入・転出届け出、住民票の写しや印鑑登録証明書の交付、児童手当の申請など65種類。導入に約1億5000万円をかけ、111台の専用端末を整備する。市は、記入にかかる時間を1件あたり約3分削減できると見込み、転出入が集中する年度末の混雑緩和にもつなげたい狙いだ。

 申請書類に全て手書きで記入する従来の方法では、複数の申請を行うのに、氏名や住所など基本的な項目を繰り返し書かなければならなかった。記入が煩雑で、手続きに時間がかかり、窓口が混雑する要因にもなっていた。読売新聞の調べでは、府内43市町村のうち2月25日時点で、限定的に導入したケースを含めて堺市や和泉市、四條畷市、河南町など約20市町で運用しており、新年度に予算を計上した自治体もある。

 「書かない窓口」は限られた人数の職員で行政サービスを維持しつつ、効率性をアップさせるのに有効とされる。一方で、大阪市などとは異なる形で、職員が対面で案内する「書かない窓口」もある。

 1月22日に運用を始めた和泉市では、窓口で職員が申請内容などを確認し、複数の証明書をまとめて発行する。来庁者が窓口で必要な証明書や届け出などを申し出ると、職員がシステムに入力。最後に来庁者がタブレット端末でサインをすると完了する。

 デジタル庁が推奨する方式で、マイナンバーカードがなくても、運転免許証など本人確認書類で氏名や住所などを確認できれば、まとめて申請でき、対象の申請書は約120種類に及ぶ。職員が対面で対応することで、端末の操作が苦手な来庁者もスムーズに申請できる。また、来庁者の目的に応じて書類などの申請漏れや重複がないか、職員が対面でチェックし、アドバイスすることで、結果的に作業効率の向上を望める。

 和泉市の担当者は「従来より、来庁者の待ち時間は2割程度減っている」と手応えを感じており、市は課題など検証しながら、来庁者の利便性向上を図るという。

読売新聞

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