共産党の小池晃書記局長は1日の記者会見で、党が問題視する極右排外主義や差別主義に対する党員らによる抗議活動に関し「市民的モラルを守る。広い人々に共感される。排外主義勢力が孤立していく方向で発展するように、党として積極的な役割を果たしていきたい」と述べた。こうした考え方を党員ではない共産支持者と共有するかについては明言を避けた。
共産は参院選で躍進した参政党を極右排外主義と位置づけている。選挙期間中から党員や支持者が参政への抗議活動を展開してきたが、足元では過激化している。
8月31日には参政が堺市東区の公共施設で開いた集会に共産党支持者らが駆けつけ、参政は「差別政党」だとして市側に会場を貸し出した理由を説明するよう求めた。小池氏はこの行為を「把握していない」と語った。
堺市での行為は憲法21条が保障する「集会の自由」に反するとの指摘もある。記者会見でこの点を問われた小池氏は「どういう集会か把握していないので、コメントするのは難しい」と述べるにとどめた。その上で、排外主義などへの抗議活動の方針については3、4両日の第6回中央委員会総会(6中総)でも議論すると説明した。
だが、共産は党員らによる過激な抗議活動の制御には消極的だ。
先月8日の東京・新宿駅前での参政への抗議活動では参加者が発煙筒のようなものをたき、現場が煙に包まれ、騒然とする様子がSNS上で拡散した。田村智子委員長は「党として行ったものではない。個々の市民の皆さんが自発的に行ったもので、一つ一つにコメントはしない」と語った。過激な活動に距離を置く党員は「やりすぎだ。度が過ぎており、多くの市民の支持を失っている」と憤った。
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