江戸時代から残る鉄砲鍛冶の作業場を兼ねた大阪・堺市の屋敷で、建物の魅力や変遷を伝える企画展が開かれています。
堺市堺区にある「鉄炮鍛冶屋敷」は、江戸時代から残されている鉄砲鍛冶の作業場と住居を兼ねた全国唯一の屋敷で、去年、修復工事を経て博物館としてオープンしました。
ことし7月から始まった企画展では、工事や調査の中で見つかった建物に関する資料11点を展示しています。
このうち、今回初公開された明治14年の屋敷絵図では、以前はなかった茶室が新たにつくられたことがわかり、この時期の鍛冶職人の豊かな暮らしぶりがうかがえます。
また、屋敷の床下の補強材として使われていた木材2点は、もともと鉄砲の銃身を載せる「台木」と呼ばれる部材を転用したものだったということで「鉄炮鍛冶屋敷」ならではの発見だとしています。
このほか、江戸後期の数十年間に全国の大名・旗本から鉄砲の注文が入ったことなどで屋敷の敷地が拡大していったことなどがパネルで紹介されていて、堺市文化財課の下村優理さんは「未来に継承すべき文化財として建物自体も味わってもらい、堺の歴史・文化を体感してほしいです」と話していました。
この企画展は11月24日まで開かれています。
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