先の大戦から80年となる今夏、堺市は戦災を次世代に語り継ぐための啓発事業に取り組んでいる。サンスクエア堺(同市堺区)で16、17日に開かれる「堺平和のための戦争展」では、市が育成中の「次世代の語り部」らが講話を行う。
軍需産業などが盛んだった堺市は昭和20年3~8月に5回の空襲を受け、死傷者約3千人、建物の全焼半焼約1万9千戸、罹災(りさい)者は7万人超に上った。中でも7月10日の堺大空襲では、旧市域の62%に相当する面積が焼失、1860人が亡くなった。
こうした歴史を伝えていくため、空襲体験者が語り部「ピースメッセンジャー」として学校などで経験を披露している。しかし、高齢化で語り部は減少し、現在の登録者は1人。このため令和6年度に羽衣国際大学(同市西区)の学生10人、今年度は一般も含めて38人を「次世代の語り部」として育成している。
同展では、講演やワークショップなどを予定。17日午前10時半から、次世代の語り部とピースメッセンジャーが講話を行う。申し込み不要。入場無料。
また市教育文化センター(同市中区)内の市立平和と人権資料館では、9月28日まで企画展を開催。道路、駅などの写真パネルで戦後の復興に向けた歩みを紹介している。入場無料。
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