堺市は1月21日、大規模災害の発生時に、被災者が直面する労働保険や社会保険の手続きを専門家が無料で支援できるよう、大阪府社会保険労務士会と連携協定を締結した。災害時の相談支援を目的とした同様の協定は、府内自治体では初めてとなる。
この協定は、地震や風水害などで生活基盤が大きく損なわれた際、失業給付や労災、健康保険、年金といった制度に関する相談を迅速に行うことを目的としている。堺市からの要請に応じて、大阪府社会保険労務士会が社会保険労務士を相談員として派遣し、避難所や相談拠点などで対応する。
相談内容は、雇用保険や労災保険の給付手続きに加え、健康保険や公的年金に関する幅広い分野が対象となる。マイナ保険証や資格確認書の扱い、遺族年金や障害年金、老齢年金に関する相談、基礎年金番号通知書の再交付など、災害時に混乱しやすい手続きを専門家が直接サポートする。
堺市では、災害発生時は行政職員の人的リソースが限られる中で、被災者対応が長期化する課題が指摘されてきた。今回の協定により、労働・社会保険分野については専門家の力を活用し、よりきめ細かな支援につなげる狙いがある。相談業務にかかる費用は原則として大阪府社会保険労務士会が負担する。
大阪府社会保険労務士会は、府内唯一の法定団体で、約5,000人規模の会員を擁する専門家集団だ。労務管理や社会保険制度に精通し、行政協力や働き方改革支援など幅広い活動を行っている。
堺市は今後も、災害時に「制度が分からず支援につながらない」事態を防ぐため、官民連携を活用した支援体制の強化を進めるとしている。








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