全日本空輸(ANA)は、関西国際空港を発着する国内線4路線を運休する。対象は那覇、宮古、石垣、新千歳を結ぶ路線で、3月29日のダイヤ改正から順次姿を消す。燃料費や人件費の高騰で赤字幅が拡大し、黒字化が見通せないと判断した。
これにより、ANAの関空発着の国内定期便は羽田線のみとなる。関空では国際線需要の回復が進む一方、国内線は人口減少や利用低迷の影響を強く受けており、ANAは路線網の抜本的な見直しを迫られた形だ。関西-沖縄、宮古、石垣線は現在それぞれ1日数往復が運航されているが、定期便は停止される。ただし、修学旅行など一部の団体輸送については運航を継続する方針としている。
一方、ANAグループの格安航空会社(LCC)であるピーチ・アビエーションは、関西-沖縄線を中心に増便を実施する。現在の1日3~4往復から、最大7往復へ拡大し、ANAが撤退する需要の受け皿となる。フルサービス航空会社からLCCへの役割分担が、関空でも一段と明確になる。
ANAは今回の再編について「一時的な措置ではなく、国内線を取り巻く事業環境の変化を踏まえた判断」と説明している。国内航空は燃料費高騰に加え、地方路線を中心に採算確保が難しくなっており、国土交通省主導で路線網維持のあり方が議論されている状況だ。
関空では、LCCを活用して訪日客の乗り継ぎ需要を地方観光へとつなげる戦略が進む。ANA本体は羽田線に経営資源を集中させ、国内地方路線はピーチが担う構図が鮮明になりつつある。関西空港の国内線は今後、「フルサービス縮小・LCC主力」という新たな局面に入ったと言えそうだ。







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