堺市は、大仙公園周辺エリアの旧大阪女子大学跡地に、博物館機能と来訪者向けガイダンス機能を備えた「(仮称)堺ミュージアム」を整備する計画を進めている。2026年度6月に基本構想を策定する予定で、2026年度当初予算案には、基本計画策定に向けた準備費として5,000万円を担当部局が要求している。
この予算では、基本計画策定に必要な諸条件の整理・検討に着手するほか、現在の堺市博物館建物の利活用を見据え、既存建物の状況把握や改修工事費、改修内容の検討も行う。
堺市博物館は1980年の開館から40年以上が経過し、その間に美術作品の新規収蔵や百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録など、堺の歴史・文化を取り巻く環境は大きく変化してきた。一方で、施設や設備の老朽化が進み、収蔵品を適切に保管する環境や、近年発展するデジタル技術の導入にも限界があるとされている。
市は2020年度から新ミュージアム整備の検討を開始。2024年1月には「歴史・文化の継承・発信・連携の拠点となる堺ミュージアム」をコンセプトに設定し、2025年7月からは有識者による基本構想検討懇話会を設置して検討を進めている。
基本理念には、「ここに来れば堺が分かる」知の集積拠点であることをはじめ、安全・安心の確保、人と人をつなぐ交流の場、堺の歴史文化資源のブランド発信、社会課題と向き合う拠点といった視点を掲げる。
具体的な取り組みとしては、堺および南大阪の歴史・文化資料やアルフォンス・ミュシャをはじめとする美術作品の調査研究、資料・研究成果のデジタル化による情報発信、バリアフリーを重視した施設運営、学校教育や地域と連携した体験型プログラムの提供、市内歴史文化施設の中核館としての連携強化、観光周遊を促す仕組みづくりなどを想定している。
施設機能としては、資料収集・保存、調査研究、企画・特別展示およびミュシャ・コレクションの常設展示、教育普及、市民参画・交流、観光・集客機能(ミュージアムショップ、カフェ等)のほか、ボランティア活動スペースや、ユネスコの賛助機関であるアジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)の活動拠点整備も盛り込まれている。






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