今日の制服はスラックスを選ぶか、スカートを選ぶか――。近年、制服に複数の選択肢を設ける高校が広がっている。大阪府教委によると、制服がある府立高校142校のうち125校が昨年度時点で2種類以上の制服を導入。ジェンダーに対する意識の変化が背景にあるのではないか、と府教委の担当者は見る。
「小さいリボンは大人っぽく見える」「でも、やっぱり大きいリボンのほうがかわいい」
去年7月上旬。大阪府立泉陽高校(堺市堺区)の教室に生徒、保護者、教師など15人ほどが集まっていた。全員の視線の先には2体のマネキン。いずれも上半身は水色のシャツに紺色のブレザー。下半身は1体が灰色のプリーツスカート、もう1体がスラックス。この2着の制服は、2025年度から導入された。この日は、新制服に合うリボンとネクタイを選ぶために、制服メーカーが持ち込んだ20種類以上のサンプルをマネキンに当てながら、有志による話し合いが行われた。
同校の制服は長年、女子生徒がセーラー服、男子生徒が詰め襟だった。特にセーラー服は襟に白い線が入った淡い水色のカバーをつけるのが伝統で、同校のシンボルにもなっている。ブレザータイプの制服は新たに導入されたが、セーラー服も詰め襟も選択肢の一つとして残ったため、生徒は複数ある制服の中から着用したいものを選べることになった。
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