人・文化

【貝塚市】小豆島電車、誘客へ走る 水間鉄道

 大阪府貝塚市の 水間みずま 鉄道で毎年秋、小豆島の企業や施設などをPRするヘッドマークをつけた「小豆島電車」が走る。幼い頃から小豆島に通うという大阪府八尾市の大森浩平さん(48)が、コロナ禍で島への観光客が落ち込んだことから同社に提案して2022年に実現。「大好きな島を多くの人に知ってもらう、僕にできる推し活です」と胸を張る。(黒川絵理)小豆島をPRするヘッドマークをつけた今年の「小豆島電車」(大阪府貝塚市で)=大森さん提供

大森さん発案「僕にできる推し活」、22年から運行

 水間鉄道は貝塚市内の10駅、約5・5キロを結ぶ。今年の小豆島電車は10月1日~11月20日に運行。小豆島の観光協会や商店、宿泊施設、交通機関のほか、ユーチューバーとして活動する漁師、小豆島出身の漫画家のファンら14の団体・個人が参加した。

 ヘッドマークは、それぞれのマークや写真、ご当地キャラクターなどがあしらわれ、1編成(2両)の両端に1週間ずつ掲示された。車内の広告などもほぼすべてが小豆島関連で、「島まみれ」(大森さん)の車両となった。

 大森さんは八尾市で生まれ育ったが、祖父母は小豆島出身。子どもの頃から毎年夏に島を訪れて海水浴や海釣りに熱中し、夜は星空を見上げた。「島では普段は寡黙な父も自然と笑顔になった。わくわくする『帰る場所』です」という。

 社会人になって結婚し、3人の子を育てる中で、小豆島への移住は決断できなかった。それでも、SNSでこまめに情報をチェックし、仲間と島でサイクリングをしたり、島のバス会社のキャラクターが入ったステッカーをデザインしたりと、関係は持ち続けた。小豆島電車を企画した大森さん。小豆島町でもヘッドマークが展示されている(高松市で)

 水間鉄道と関わったのは、勤務する鉄道模型店が携わるイベントで水間鉄道社員と知り合ったのがきっかけだった。人手不足と聞き、19~20年に駅での改札や放送業務などを手伝った。

 その中で、同社が増収策として、乗客らの要望を受けてオリジナルのヘッドマークを制作し、車両に10日間取り付けて、運行するサービス(税込み1万1000円)を実施していると知った。赤ちゃんの誕生祝いやプロポーズに活用したり、歌手の引退やアニメ映画の公開に合わせてファンが申し込んだりした記念のヘッドマークが掲げられ、SNSでも話題になっていた。

大好きな島PRのヘッドマーク

 頭をよぎったのは小豆島だった。コロナ禍のため20、21年の推計観光客数が19年より4割ほど落ち込み、宿泊施設などの嘆きの声をインターネットで目にしていた。「小豆島の魅力を知ってほしい」。交流のあるバス会社とご当地キャラクターのファンにヘッドマーク制作を打診。夏よりも観光客が減りやすい秋にPRしようと、22年秋に初の小豆島電車を実現させた。

 「なんで大阪で小豆島のPR電車が走っているのか」。話題になり、23年は9種類、昨年には11種類のマークをつけた電車が走った。

 大森さんはボランティアで小豆島電車への参画の依頼、走行車両の撮影などに携わる。今年は島の特産品を取り寄せ、期間中に貝塚市内で物産展も開いた。鉄道模型店での勤務の合間を縫った活動で、3か月ほどは休みがなかったという。

 それでも、「『島に行ってきた』『いい所だね』と言ってもらえて充実感がある。島の魅力をより感じてもらえるように来年秋はどんな電車を走らせようか考えている」と語る。

 小豆島でも昨年から、小豆島電車を知ってもらおうと、掲示されたヘッドマークなどを並べた展覧会を実施。今年は14日までの午前9時~午後5時(14日は午後4時まで)、小豆島町の「オリーブナビ小豆島」で開催している。

小豆島電車、誘客へ走る 大阪・水間鉄道(読売新聞)

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