大阪府内の自治体では、職員の心身の保護および行政サービスの質維持を目的として、悪質なクレームや威圧的言動(カスタマーハラスメント)への組織的な対応を本格化させています。特に箕面市と阪南市の事例では、具体的な数値基準や物理的な設備導入による「毅然とした対応」が明確化されています。
1. 箕面市の取り組み:数値基準の明確化と「SOSボタン」の設置
箕面市では、2024年の調査で職員の約45%がカスハラ被害を認識している実態を受け、以下の具体的な対策を講じています。
- 対応打ち切り基準の設定
- 対面・電話対応の制限時間を30分から20分に短縮。
- カスハラを繰り返す者への対応は「3回まで」、暴言を浴びせる者には「2回まで」と回数を厳格化。
- 物理的対策と録音
- 窓口下に「SOSボタン」を設置。作動させることで光と音により周囲の職員に異変を知らせ、組織的な対応を可能にしました。
- ICレコーダーによる窓口会話の録音、および電話対応時の自動録音ガイダンスを導入。
2. 阪南市の取り組み:プライバシー保護と指針の策定
阪南市では、過去3年間に職員の半数以上(52.3%)が被害を受けたという深刻な状況を踏まえ、2026年2月に防止指針を策定しました。
- 名札表記の変更
- SNSでの個人特定や晒し行為を防止するため、名札の漢字表記を「ひらがな・ローマ字」に変更。
- 行為の具体例を定義
- 「物の投げつけ」「執拗な責め立て」「SNSへの無断公開」などをカスハラと明確に定義し、組織として介入する基準を設けています。
3. 対策の目的
各自治体に共通する目的は以下の2点に集約されます。
- 職員の安全確保:精神的・身体的苦痛による離職や疾患を防ぐ。
- 市民サービスの向上:一部の悪質な対応に費やされていた時間を、本来の行政業務や他の市民へのサービス提供に充当する。
大阪府 カスハラ対策 市役所 「火をつけるぞ」「公務員のくせに」暴言浴びせる来庁者の対応は2回まで、窓口下には「SOSボタン」…大阪でも市役所のカスハラ対策「職員も人間」 : 読売新聞






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