タクシー・モビリティ事業を手がけるnewmo(ニューモ)は、大阪市中央区森ノ宮に開設したグループ会社「夢洲交通」の新営業所で、開業セレモニーと内覧会を行った。森ノ宮営業所は、大阪におけるタクシー事業拡大と、将来の自動運転タクシーの社会実装を見据えた中核拠点と位置付けられている。
新営業所は、元パチンコ店と立体駐車場をリノベーションして整備された。新築に比べ初期投資を抑えつつ、動線や執務空間、乗務員の休憩・交流スペースを再設計し、開放感のある職場環境を実現した。慢性的な人手不足が続くタクシー業界において、未経験ドライバーの確保と定着を重視する狙いがある。
newmoは「移動で地域をカラフルに」をミッションに掲げ、創業から約2年で大阪府内のタクシー会社3社を事業承継。今年7月に新設した夢洲交通は、同社にとって初の新規設立会社となる。森ノ宮営業所は、既存事業の統合と新たな取り組みの発信拠点を担う。
夢洲交通は現在、車両58台で運行を開始しており、今後は約330台規模まで段階的に拡大する計画だ。大阪全体では、来夏までに2,000~3,000台規模への成長を目標に掲げている。点呼や車両点検のデジタル化、運行管理システムの内製化など、DXを活用した業務効率化も進めている。
また、開業セレモニーでは自動運転タクシーの取り組みも紹介された。レベル2相当の自動運転システムを搭載した車両を用い、堺市と連携して公道での走行実証を実施している。堺浜エリアでは、夜間を含めた走行検証が進められており、現在はセーフティドライバーが同乗した形で安全性の確認を行っている。
同社は今後、住宅地と駅を結ぶ移動や交通手段が限られた地域など、さまざまな場面での活用を想定し、段階的な自動運転の導入を検討する方針だ。人手不足を補完しつつ、地域の移動課題の解決につながるか、今後の展開が注目される。






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