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大阪府の松井前知事「投資拡大、南大阪がトップランナー」 日経シンポ

日本経済新聞社大阪本社は5日、南大阪地域を中心に関西経済の活性化を目指す産学官の枠組み「南大阪REBORN(リボーン)コンソーシアム」の2025年度総括シンポジウムを堺市内で開いた。大阪府の松井一郎前知事は基調講演で「(大阪府域への投資を)さらに広げていく、そのトップランナーは堺市を中心とした南大阪エリアだ」と強調した。

コンソーシアムは24年が日本経済新聞社の大阪発刊100周年に当たるのに合わせて同年7月に立ち上げた。観光振興やICT(情報通信技術)教育など4つの分科会で経済活性化策を議論しており、今回は25年度の取り組みを総括する場だ。

会合には堺市など南大阪に拠点を置く企業や行政の関係者ら、およそ150人が参加した。

松井氏は「南大阪発―未来の街づくり共創」と題して講演した。都市開発や産業振興について「大阪市一極ではなく南大阪が一体となって府域全体の活力をつくってほしい」と話した。

南大阪で潜在力のある産業として脱炭素や観光を挙げた。堺泉北臨海工業地帯での脱炭素の取り組みに触れて「泉州地域は取り組みが早く投資も進んでいる」と強調した。観光に関しては「大阪市だけではなく広域観光を実現していくのが重要だ」と訴えた。

首都機能の一部を地方に移す「副首都構想」にも言及した。「一極集中というのがリスクがある。大都市で東京の経済リスクをバックアップできる場所をつくっていくべきだ」と提起した。10月に閉幕した大阪・関西万博について「自画自賛で成功したとは言わないが、結果としては多くの来場者が満足して良かった」と総括した。

4つの分科会の座長もそれぞれの進捗を報告した。

「スタートアップ・国際交流」の座長を務める大阪大学の佐久間洋司特任研究員は人工知能学会の全国大会が大阪で開かれたと説明し「南大阪に強い関心を寄せてもらった」と振り返った。26年には分科会として南大阪で数社の起業を支援する目標も明らかにした。

「産学官連携」座長で大阪公立大学スタートアップ創出・支援センターの吉国聖乃EIRグループリーダーは農業、遊休地活用、エネルギーという3つの分野に分けて取り組みを進めていると説明した。遊休地を陸上養殖に活用する計画などを提示し会員企業に参画を呼びかけた。

「観光振興・外国人定住」では東京都公立大学法人のウスビ・サコ理事が南大阪の課題として情報発信、受け入れ体制、観光地間の連携などを列挙した。世界遺産の「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」を軸にした文化観光の強化の必要性などを訴え、新たな観光モデルを提示する意向を示した。

「ICT先端教育」の座長の早稲田大阪高校、米田謙三教諭は工学や数学、芸術などを横断的に学ぶSTEAM教育の進捗について解説した。会員企業とも連携し、金融や脱炭素に関する授業に取り組んでいると話し「学校と企業のニーズにあったモデルを南大阪から発信していく」と述べた。

大阪府の松井前知事「投資拡大、南大阪がトップランナー」 日経シンポ(日本経済新聞)

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