堺市は、関西電力南港発電所(大阪市住之江区)の更新計画に関する環境影響評価準備書について、大阪府知事からの照会を受け、市長意見を回答した。大阪府は今後、関係市の意見を踏まえ、経済産業大臣に知事意見を提出する。
計画では、既存の汽力発電設備(出力180万kW)を、LNGを燃料とするガスタービン・汽力併用のコンバインドサイクル方式(出力186.3万kW)に更新する。工事は2026年8月に準備工事を始め、同年12月に本工事に着手、2030年度の運転開始を予定している。
堺市長は意見の中で、
- 脱炭素化への対応として、ゼロカーボン燃料やCCS導入時の環境評価・追加対策の検討を要請。
- 地域住民への説明責任として、質問・意見には根拠を示して丁寧に対応するよう求めた。
- 大気質対策では、最新の燃焼器・排煙脱硝装置を使用し、窒素酸化物排出濃度4ppmの維持と装置管理の徹底を指示。
- 騒音・交通対策として、資材搬出入時には阪神高速湾岸線などを活用し、主要地方道の交通量を抑えるよう求めた。
- 温室効果ガス対策では、現状より排出削減が見込まれる一方、将来の排出原単位が国目標を上回るため、ゼロカーボン燃料やCCS技術の活用を早期に進めるよう要請した。


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