インバウンドを含め多くの人が利用する関西の空の玄関口、関西国際空港、大阪(伊丹)空港、神戸空港。3空港体制になって約20年、伊丹空港周辺には着陸機を間近に見られる公園が整備され、神戸空港には国際チャーター便が就航した。進化を続ける3空港とその周囲に広がる景色を追った。
2月、特別な許可を得て関空の管制室に入った。航空機の安全運航を24時間監視する管制塔の最上階で、航空管制官が無線でパイロットと交信、手際よく離着陸の許可を出していく。
関空は3月、発着上限数を3割拡大し、年間の発着枠が23万回から30万回に。9月には開港から31周年を迎えた。来年夏に完了予定の第1ターミナルのリニューアルはほぼ終了しており、今年上半期の国際線の外国人旅客数は初めて1千万人を超えた。
双眼鏡をのぞく航空管制官の真剣な表情からは、空の安全を守り続ける誇りが感じられた。
伊丹空港そばに整備が進む「豊中つばさ公園『ma‐zika』」(大阪府豊中市)。8月にオープンした屋根付き展望広場では、着陸しようとする機体を至近距離から見られ、人気スポットになっている。3歳の息子と訪れた兵庫県伊丹市の大西努さん(40)は「屋根があるので子供と一緒に過ごしやすい。着陸機が近く見え、迫力があります」。
公園は今後、バーベキュー広場や遊具広場、ドッグランなどが整備され、令和9年3月の全面開園が予定されている。
一方、神戸空港では今年4月、国際チャーター便の運航が始まった。
運航初日は台湾や韓国から到着した旅行客を横断幕を掲げた職員らが出迎え、歓迎ムードに。10月には国内航空会社として初めてスカイマークがチャーター便を離着陸させ、国際化に一層の注目が集まる。
関西と世界、人と人をつなぐ3空港の今後が楽しみだ。
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