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【堺市】小学校“いじめ”で女子児童「死にたい」転校も…学校側の責任認めず市への賠償請求を“棄却” 大阪地裁堺支部「組織上の課題はあるが法的義務違反あるといえず」(ytv)

 大阪府堺市の小学校で、発達障害のある女子児童が同級生からいじめを受けた際に学校側が適切な対応をとらず、転校を余儀なくされたとして市に損害賠償を求めた裁判で、18日、大阪地裁堺支部は学校側の責任を認めず、保護者の訴えを棄却しました。

 18日の判決で、賠償を認めなかった理由について、「組織上の課題は認められるものの、法的な義務違反があるとまではいえない」と指摘しました。

■同級生からいじめ 学校に「発達障害の特性理解して」説明も改善されずと訴え

 訴状などによりますと、当時、堺市内の小学校に通っていた女子児童は小学4年生ごろまで同級生から靴に小石や枝を詰められたり、持ち物をごみ箱に捨てられたりするなどのいじめを受けました。

 女子児童の保護者は学校や市教委にいじめについて何度も相談したほか、女子児童は発達障害もあり「特性を理解し対応してほしい」と求めたものの改善されず、女子児童は自殺を考えるようになり、小学4年生だった2020年度末に転校を余儀なくされたとして、堺市や加害児童らに対し約160万円の損害賠償を求めていました。

 保護者によりますと、このうち加害児童側とはすでに和解が成立しましたが、市側は争う姿勢を示していたということです。

■いじめ調査した市第三者委員会「学校の発達障害の理解度低い」

 問題を調査した市の第三者委員会は、2020年に公開した調査報告書で一連の行為を“いじめ”と認定ました。また、学校側の対応については発達障害について十分に考慮せず、いじめは女子児童の性格のせいだと決めつけて対応していたとして「学校に発達障害についての理解の低さがあり、事態を複雑化・深刻化した」などと指摘していました。

 保護者によりますと、学校はこれまでいじめの事実は認め、保護者に対し謝罪していたものの、報告書の公開後も、いじめ対応については「適切だった」として責任を認めない姿勢を崩していなかったということです。

■母親「裁判所は不適切対応を軽視している」

 18日の判決後、母親は会見を開き、「娘が受けてきたいじめや、教育委員会から受けた不適切対応を裁判所は軽視しているんだなというのが率直な感想です。全国でいじめ被害を受けて苦しんでいる本人や家族がどうすれば報われるのかが全く見えなくなってしまった判決だと思います」と話し、判決を不服として控訴を検討していると明かしました。

 一方、堺市教育委員会は、「判決の内容を真摯に受け止め、今後も児童生徒一人ひとりの尊厳が守られ、安全安心に過ごせる学校となるよう、着実に取り組んでまいります」とコメントしています。

【速報】小学校“いじめ”で女子児童「死にたい」転校も…学校側の責任認めず市への賠償請求を“棄却” 大阪地裁堺支部「組織上の課題はあるが法的義務違反あるといえず」

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